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カネカ 菊花ポリフェノールの尿酸値上昇の抑制効果を分子レベルで解明

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2014年05月28日 AM06:00

共同研究により解明

株式会社カネカは5月15日、菊花ポリフェノールを含有する菊花抽出物摂取によりみられる血中尿酸値の上昇抑制効果が、「尿酸産生抑制」と「尿酸排泄促進」の2つの作用によるものであることを確認したと発表した。


画像はプレスリリースより

同成果は、東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻ILSI Japan寄付講座 機能性食品ゲノミクスの阿部啓子特任教授、広島大学大学院先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻の平田大教授との共同研究によるもの。同研究成果は4月16日、国際学術雑誌である「Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry」に掲載された。

カネカはこれまでに、尿酸値が高めの人(7.1mg/dL以上)を対象としたヒト試験(プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験)の結果、菊花ポリフェノール摂取が、食事による尿酸値の上昇を抑えることを報告している。今回の研究では、体内の尿酸量が「尿酸産生」と「尿酸排泄」のバランスによって決定されていることに着目。食餌性高尿酸血症モデルにおいて、尿酸値上昇抑制効果の作用メカニズムの検討し、菊花ポリフェノールの尿酸値上昇抑制効果を分子レベルで解明した。

高尿酸血症への効果が期待

すると、高尿酸血症誘導食を摂取させたラットの尿酸値が上昇したのに対し、高尿酸血症誘導食に加え菊花ポリフェノールを摂取させたラットでは、高尿酸血症誘導食による尿酸値の上昇が抑えられたという。

これによって、菊花ポリフェノール摂取が、肝臓における尿酸産生酵素であるキサンチンオキシダーゼの酵素活性を阻害すること(尿酸産生の抑制)、尿中の尿酸濃度を上昇すること(尿酸排泄の促進)が示されたとしている。

さらに、DNAマイクロアレイを用いた腎臓の網羅的遺伝子発現解析の結果、尿酸の排泄に働く尿酸トランスポーターであるABCG2及びSLC17A1の遺伝子発現の上昇が認められ、これらの遺伝子発現変動が、菊花ポリフェノールによる尿酸排泄の促進に関与していることが示されたという。

高尿酸血症は、尿酸産生過剰型、尿酸排泄低下型、混合型の3タイプに分類されている。同社は、尿酸産生を抑制し尿酸排泄を促進する菊花ポリフェノールは、高尿酸血症のタイプに関わらず効果を発揮することが期待できるとしている。(浅見園子)

▼外部リンク

カネカ プレスリリース
http://www.kaneka.co.jp/service/news/140515

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