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東大 卵の薄皮を摂取することで肝機能障害が改善する可能性

読了時間:約 43秒
2012年12月14日 PM08:13

肝障害ラットに薄皮を給餌

東京大学産学連携の研究グループが、肝障害をもつラットに卵殻膜を摂取させたところ、その肝機能障害が改善したことを発表した。卵殻膜とは、卵殻と卵白の間にある不溶性の薄皮で、内膜・外膜の2 層から成る。

まず、ラットに四塩化炭素を投与して肝障害を誘導した。四塩化炭素は長期間投与すると肝硬変をおこすというもの。その後、ラットに微粉砕した卵殻膜を給餌した。すると、肝障害の症状が改善されたうえに炎症の拡大や肝繊維化形成が抑えられた。この結果から、卵殻膜が肝障害を抑制していると推察した。

薄皮の有用性

卵殻膜は可食部でないために、食品産業では廃棄されてきた。試算で年間7000トン分の廃棄物になる。研究グループはその利用開発を課題として、これまで卵殻膜を摂食したときの消化吸収について研究してきた。

一方で、卵殻膜の炎症抑制作用はつとに知られており、今回の研究でそのことが明らかになった。今後は対象をヒトに広げ、また他の疾患モデルでも検討していく。同グループは、卵殻膜が医療品に加え機能性食品として貢献することを期待している。

▼外部リンク

東京大学プレスリリースhttp://www.u-tokyo.ac.jp/

 

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