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健康成人のD-アラニン反復摂取、血中D-アラニン濃度が増加・維持と判明-金沢大ほか

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2024年06月20日 AM09:20

健康成人を対象に「」7日間反復摂取による動態と安全性を検討

金沢大学は6月12日、腎臓病への臨床応用に向けて開発された「D-アラニン製剤」の健康成人における動態と安全性を確認したと発表した。この研究は、同大附属病院感染制御部(腎臓・リウマチ膠原病内科学)の大島恵特任准教授、検査部の中出祐介副臨床検査技師長、医薬保健研究域医学系(腎臓・リウマチ膠原病内科学)の岩田恭宜教授、和田隆志学長らと、KAGAMI株式会社との共同研究によるもの。研究成果は、「Current Developments in Nutrition」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

D-アラニンは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一つであるL-アラニンの光学異性体で、腸内細菌の代謝物や発酵食品などに比較的多く含まれる成分。これまでのアラニンの情報のほとんどは、光学異性体を識別しないアラニン、あるいはL-アラニンに基づいていた。一方で、近年の分析技術の向上により、ヒトの体内にもD-アラニンが存在することが明らかになり、さまざまな生体機能との関連について研究が進められている。

これまでの研究で、マウスに腎障害を起こすと、D-アミノ酸の中でも特に血液中のD-アラニン濃度が増加することや、マウスにD-アラニンを摂取させると腎機能の悪化が抑えられることを見出した(特許第7364166号)。一方で、ヒトにおけるD-アラニン摂取の効果は明らかになっていない。

そこで今回の研究では、D-アラニンの含有量が規定された経口製剤を開発し、世界で初めて腎機能の低下のない健康成人において、7日間のD-アラニンの反復摂取による体内のアミノ酸の代謝と腎機能の変化、安全性を検討した。

血液中D-アラニン濃度、両群で摂取2日目には著しく増加し摂取中の7日間維持

研究では24人の健康成人の参加者を、D-アラニンを1日3g摂取する群(12人)と1日6g摂取する群(12人)に無作為に振り分けて行った。その結果、血液中のD-アラニン濃度は両方の群で摂取2日目には著しく増加し、摂取中の7日間は維持されることが明らかになった。

また、腎機能(推算糸球体濾過量GFR,glomerular filtration rate)は両方の群で、D-アラニンの摂取中は基準範囲内で増加する傾向を示した。研究の参加者全員が摂取を完了し、日常生活の制限や入院治療が必要となる程度の副作用は見られなかった。

アミノ酸をターゲットにしたCKDの治療法開発などの臨床応用への発展に期待

以上のことから、D-アラニンの反復摂取により、健康成人の血液中のD-アラニン濃度が増加し維持されることと、腎機能への影響を含め、D-アラニン製剤の忍容性が高いことが確認された。

現在、同じD-アラニン製剤を用いて、CKD患者におけるD-アラニンの摂取による腎機能の変化と安全性を検討する臨床試験を進めている。これらの知見は将来、アミノ酸をターゲットにしたCKDの治療法開発などの臨床応用への発展が期待される、と研究グループは述べている。

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