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看護師が難病患者の看護で「困難に感じている」事柄が判明-アレクシオン

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2023年10月03日 AM11:58

指定難病患者500人と、指定難病患者の看護経験をもつ現職看護師464人が対象

アレクシオンファーマ合同会社は9月30日、指定難病患者500人および指定難病患者の看護をしたことがある看護師464人を対象に実施したインターネット調査「難病患者さんと医療従事者のコミュニケーションと連携に関する意識調査」の結果を発表した。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

同調査は2023年7月21日〜8月22日に、直近半年間に通院または入院歴のある20〜69歳の指定難病患者500人(17.8%、8.4%、7.4%など)、直近半年間に通院または入院歴のある20〜69歳の指定難病以外の病気の患者500人、指定難病患者の看護に関わったことのある20〜69歳の現職看護師464人を対象に実施。監修は、東京都医学総合研究所社会健康医学研究センター難病ケア看護ユニットリーダー副参事研究員・・保健師の中山優季氏が行った。

難病患者の看護で大変に感じるのは「専門的な知識やスキルの高さが要求される」こと

難病患者の看護に携わったことがある現職看護師に指定難病以外で通院・入院している患者と比べ、難病患者の看護においてどのような困りごとや大変さがあるかを尋ねたところ、「専門的な知識やスキルの高さが求められる」(52.8%)が最も多く、次いで「心理的なサポートとカウンセリングが難しい」(34.7%)、「症状・状態を、看護師が理解することが難しい」(30.0%)が挙げられた。

さらに、病状ステージごとの看護の困りごとや大変さを尋ねたところ、最多は「専門的な知識やスキルの高さが求められる」で変わりなかったが、「難病患者が体に異変を感じてから病名が判明するまで」のステージでは、「症状をわかりやすく説明するのが難しい」(39.9%)、「治療を開始後、症状が安定している状態」のステージでは「次の病期ステージの心構えなどを伝えるタイミングが難しい」(31.0%)が2位に挙がった。これらの結果から、難病では専門的な知識が求められるため、症状の説明や時期などで看護師が患者とのコミュニケーションの難しさを感じていると考えられた。

難病患者は医師よりも看護師とのコミュニケーションに課題を感じている

難病患者と看護師のコミュニケーションについては、難病患者の約6割が「医師とコミュニケーションがとれている」、同じく約4割が「看護師とコミュニケーションがとれている」と回答した。難病患者に、自身の病気に関して、診察時に「医師・看護師それぞれと納得できるコミュニケーションがとれているか」を尋ねたところ、約6割が「医師と納得できるコミュニケーションがとれている」(63.8%)と回答し、同じく約4割が「看護師と納得できるコミュニケーションがとれている」(38.0%)と回答した。「医師と納得できるコミュニケーションがとれていない」(10.0%)、「看護師と納得できるコミュニケーションがとれていない」(20.8%)と比べると、難病患者は看護師とのコミュニケーションに、より課題を感じていると考えられた。なお、日常生活介助の要否と病状により3つに類型化して調べたところ、「看護師と納得できるコミュニケーションがとれている」は、症状や日常生活障害の程度が重くなるほど、看護師とのコミュニケーションの満足度が上がっていると推測できたとしている。

難病患者と看護師の双方が、医療従事者の連携に疑問や課題を感じている

難病患者に、自身の治療や看護において、医師と看護師の連携がとれているかを尋ねたところ、約6割(61.8%)が「よく連携できている」「連携できている」と答えた一方で、約4割(38.2%)が「あまり連携できていない」「まったく連携できていない」と回答した。これは、同質問を行った難病以外の病気で通院または入院した患者の回答「あまり連携できていない」「まったく連携できていない」(25.2%)と比べ、13ポイント高い結果だった。このことから、難病患者と看護師の双方が、医療従事者の連携に関して疑問や課題を感じていることが判明した。

難病患者の相談を受けている看護師の約6割が「病気以外の相談への対応は困難」

難病患者に、看護師に求めること、これまで看護師の看護で嬉しかった/助かったことを尋ねたところ、看護師に求めることは「精神面(心持ち)について支えてほしい」(17.6%)、「症状の変化・状態について相談にのってほしい」(15.2%)、「治療内容・治療の方向性について(薬の効果や、副作用など含む)説明して欲しい」(13.8%)などが挙げられた。また、これまで看護師の看護で嬉しかった/助かったことは「親身に接してくれた」(24.0%)が最も多かった。

一方、看護師は、症状や治療に関することだけでなく日常生活や就労、結婚・出産など、難病患者のさまざまな相談対応を行なっているが、相談を受けている看護師の約6割が病気に関すること以外の相談については対応が難しいと感じていた。

看護師が難病患者に行っている情報提供や相談対応は「症状の変化・状態」「治療内容・治療の方向性」「日常生活の過ごし方」「精神面(心持ち)」「保険・制度活用」「医療費」が約5割、「就学・就労」「結婚・出産・介護」「患者団体」が約3割だった。また、相談を受けている中で対応が難しいものを尋ねたところ、「精神面(心持ち)について」「医療費」「保険・制度活用」「就学・就労」など、病気そのものに関すること以外が上位を占めた。これらの結果から、看護師が困難と感じながらも難病患者とさまざまな事柄についてコミュニケーションをとっていることがわかった。

医師・看護師・難病患者で交流できる場を増やすなど、サポート体制の見直しが重要

難病患者が望む「理想の看護師」のタイプを探るために一般に広く使われているアーキタイプに基づいて回答を求めたところ、約3人に1人が「ごく普通の人」と答え、最も多かった。その理由として「身の回りのことを専門分野の知識を持った人に相談できると安心感が得られる」「普通の感覚の人の方が気持ちをわかってもらえる」「気兼ねなく話せる方が良い」などが挙げられた。難病患者が看護師に対して医師とはまた異なる、より自分自身に近い存在として、看護だけでなく精神的な支えやサポートを求めていると推察された。

中山優季氏は調査結果について「難病患者が看護師に対して専門的な知識やスキルだけでなく、治療における精神面での支えや情報提供など、多岐にわたるサポートを求めていることがわかった。一方、医療従事者間の連携が必要とされながらも、看護師が「十分な時間を割くことが難しい」「医師・看護師・難病患者の三者で直接コミュニケーションできる場が少ない」などの課題を感じており、医療現場の仕組みや体制面からも、難病患者のサポートを考える必要があることがわかった」と、述べている。

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