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「全国抗菌薬販売量2022年調査データ」公開-AMR臨床リファレンスセンター

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2023年03月08日 AM10:31

2021年比でほぼ横ばい、2013年比では約31.5%減少

国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターは3月6日、「全国抗菌薬販売量2022年調査データ」を公開した。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

薬剤耐性が世界的な問題として取り上げられ、日本でも2016年に「)対策アクションプラン」が策定され、7年が経過した。同アクションプランに基づき、さまざまな取り組みがなされているが、その中で抗菌薬の使用量のサーベイランスを継続的に実施することが求められている。

2022年の販売量に基づく人口1,000人・1日あたり抗菌薬使用量(DID)は10.22DIDであり、2013年(14.91)比で約31.5%減少した。2021年と比べると、全体で0.1%の増加が見られたが、ほぼ横ばいといえる。抗菌薬の種類別にみると、2013年と比べて広域抗菌薬である内服セファロスポリン系薬は47.3%、内服マクロライド系薬は45.1%、内服フルオロキノロン系薬は46.4%減少していた。また、狭域抗菌薬であるペニシリンの割合が増加傾向を維持している。

Access比「増」、Watch比「減」、抗菌薬の適正使用進む

また、WHOが抗菌薬適正使用の指標として推奨している抗菌薬の分類「AWaRe分類」別にみると、2013年から2022年でAccess(一般的な感染症の第一選択薬、または第二選択薬として用いられる抗菌薬)比が約13.0%から27.0%へ増加、Watch(耐性化が懸念されるため、限られた疾患や適応にのみ使用すべき抗菌薬)比が約85.6%から71.8%へ減少し、これらのデータからは抗菌薬の適正使用が進んでいると考えられる。

COVID-19感染対策により急性気道感染症が減少し、抗菌薬使用量が減少か

AMR対策アクションプラン2016-2020では、成果指標として、人口1,000人あたりの一日抗菌薬使用量(DID)を2013年の水準の3分の2に減少させること、経口セファロスポリン系薬、フルオロキノロン系薬、マクロライド系薬は50%削減することが挙げられていた。アクションプラン策定後より抗菌薬使用量は徐々に減少しており、特に2020年以降はCOVID-19への感染対策が徹底して広く行われた結果、急性気道感染症の罹患が減り、診療所を受診する患者が減少したことも抗菌薬の使用量減少に影響していると考えられた。

「2022年も2020年、2021年とほぼ変わらない抗菌薬販売量となった。COVID-19の流行が引き続き影響しているものと考えられる。今回、2021年と比べて抗菌薬全体とフルオロキノロン系抗菌薬の販売量の僅かな増加が見られた。この増加の原因の具体的な要素を探り、今後の抗菌薬適正使用推進にいかしていくのが今回の調査の課題だ」と、結果を総括している。

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