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不規則な形状の動脈瘤にも対応可能な脳動脈瘤塞栓コイル「i-EDコイル」を発売-カネカ

読了時間:約 1分18秒
2019年12月03日 AM11:00

FDAにも承認申請中、2023年にグローバルでの売上高100億円目指す

株式会社カネカは12月2日、脳動脈瘤塞栓コイル新製品(製品名:i-Eコイル™)を開発し、11月より日本で販売を開始したと発表した。同製品は米国食品医薬品局()に申請中で、承認を取得後、米国でも販売を開始する予定で、2023年にはグローバルでの売上高100億円を目指すという。


画像はリリースより

くも膜下出血は致死率が高く、極めて危険な病気だ。治療方法として、開頭して金属製のクリップで破裂した動脈瘤を挟み込むことで動脈瘤からの再出血を防ぐ外科治療、または、カテーテルを使って血管の内側から破裂した動脈瘤内に塞栓コイルを詰める血管内治療がある。最近では体への負担が少ないことから、塞栓コイルを使用する血管内治療の割合が年々高まり、くも膜下出血治療の第一の選択肢になりつつある。また、画像診断技術の発達により、未破裂の動脈瘤がくも膜下出血発症前に発見される事例が増えている。このような未破裂の動脈瘤の破裂を予防するためにも、塞栓コイルを使う血管内治療が行われる割合が高まっている。

柔軟性を高めることで、動脈瘤の破裂のリスクを低減

カネカは今回、塞栓コイルの原材料になる金属線の太さの最適化や構造の工夫などにより、コイルの柔軟性を世界最高レベルに高めたi-Eコイルを開発。同製品の使用により、動脈瘤内にコイルをより高密度に詰められるだけでなく、動脈瘤の壁の一部が突出したような不規則な形状の動脈瘤にも対応でき、動脈瘤の破裂のリスクを低減させることが可能になったという。高齢化の進行、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の増加により、患者数はさらに増えることが予想されるなか、同製品により、脳動脈瘤に対する治療効果の向上が期待できる。

同社は、「今後も塞栓コイルをはじめとする脳血管疾患用の血管内治療製品のラインアップ拡充を進めるだけでなく、診断や予防といった治療以外の領域に対するソリューションを提供することで、脳血管疾患におけるさまざまな課題の解決に貢献していく」と、述べている。

 

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