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「口から食べる」ことが健康維持に役立つ仕組みの一端を解明-都長寿研

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2019年07月22日 PM12:45

口腔機能低下で認知機能低下やフレイルが起こるのはなぜか

東京都健康長寿医療センター研究所は7月18日、甲状腺からのホルモン分泌が、自律神経によって調節されることを、甲状腺を支配する交感神経や副交感神経を電気刺激する実験で明らかにしたと発表した。この研究は、同研究所の堀田晴美研究部長らの研究グループによるもの。研究成果は、日本生理学会の主催する国際ジャーナル「The Journal of Physiological Sciences」オンライン版にて掲載されている。


画像はリリースより

最近、オーラルヘルスと健康寿命との関係が注目されている。高齢者では口腔機能が低下すると、経管栄養の有無にかかわらず、認知機能の低下や全身のフレイルを招きやすいことが知られている。しかし、そのメカニズムに関しては、未解明なままだった。

研究グループはこれまで、全身の代謝を調節するホルモンを分泌する甲状腺に注目し、研究を続けてきていた。その過程で、甲状腺からのホルモン分泌が、上喉頭神経(副交感神経)の活動により、素早く増加することをつきとめたという。上喉頭神経には、口から入った食べ物の通り道である咽頭からの感覚情報を脳に伝える感覚神経が含まれており、この神経の活動は、嚥下反射を誘発することでも知られている。

咽頭への刺激で、甲状腺ホルモン分泌が増加すると判明

研究グループは今までの結果から、咽頭への刺激によって甲状腺からのホルモン分泌が促進されると推察。麻酔したラットの咽頭に、食べ物を飲み込むときのような機械的刺激を与え、甲状腺からのホルモン分泌にどのような変化が起こるのかを調査した。

まず、甲状腺からのサイロキシンとカルシトニンの分泌が、咽頭の機械的刺激によってどのような影響を受けるのかを調査。心理的な影響を取り除くため、麻酔で意識のないラットの咽頭に、やわらかいバルーンを出し入れして咽頭を刺激した。

咽頭刺激の間、サイロキシンとカルシトニンの分泌が、刺激前の約2倍に増加。この分泌反応は、上喉頭神経を切断することで完全に消失した。上喉頭神経中の感覚神経の活動と甲状腺に分布する副交感神経の活動は、咽頭刺激中に増加した。これらの結果は、咽頭の機械的刺激が、上喉頭神経の感覚神経を活性化することで、甲状腺支配の副交感神経が刺激され、サイロキシンとカルシトニンの分泌を促進することを示しているという。

サイロキシンは、全身の細胞の代謝を高め、カルシトニンは骨の細胞に作用して骨を強くする。研究グループは、「口から食べることが高齢者の心身の健康維持に役立つ仕組みに、新たに明らかとなったこの生理的反応が関与していると考えられる」と、述べている。

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