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シルクマブ、抗リウマチ薬としての製造販売承認を申請-ヤンセン

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2016年10月24日 PM02:30

第3相臨床試験でプラセボとの比べ関節破壊を有意に抑制

ヤンセンファーマ株式会社は10月20日、ヒト型抗IL-6モノクローナル抗体製剤(一般名:(遺伝子組換え))を抗リウマチ薬として製造販売承認申請を行ったと発表した。シルクマブは、ヒト型抗IL-6免疫グロブリンG1Kモノクローナル抗体で、関節リウマチのようなIL-6が関与している炎症・免疫疾患の発症メカニズムに作用し、その炎症状態を抑制するもの。

今回の申請は、第3相臨床試験である国内臨床試験と国際共同臨床試験を含む計5試験(SIRROUND試験)の結果に基づくもの。疾患修飾性抗リウマチ薬(dmards)に対し効果不十分であった成人関節リウマチ患者を対象としたSIRROUND-D試験では、シルクマブが16週でプラセボと比較して関節リウマチの症状の改善を示し、52週まで関節破壊を有意に抑制。また、既存治療で十分な反応を示さなかった日本人患者を対象としたSIRROUND-M試験では、シルクマブの単剤での安全性と効果を確認したとしている。

欧州や米国でも9月に成人関節リウマチに対する製造承認を申請

これらの結果は、2016年の欧州リウマチ学会年次総会(EULAR)、2015年の米国リウマチ学会(ACR)年次総会で発表された。シルクマブは、欧州、米国においても2016年9月に成人関節リウマチに対する製造承認申請を行っている。

日本における中等度から重度の関節リウマチ患者は、80万人程度といわれており、20~40歳代の女性に多く発症する慢性の炎症性疾患。主に関節の滑膜で起こる炎症により、関節が変形するなど日常生活に多大な影響を及ぼす。最近では、症状が現れてから2年の間に急速に炎症が進み、早い時期から関節破壊が起こることが分かってきており、疾患の進行を抑えて関節機能を守るには、できるだけ早い時期に治療を開始することが重要だと考えられるようになっている。

 

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