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臨床開発と市販後臨床開発の変革に向け、米国PRA社と提携契約を締結-武田薬品

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2016年09月15日 PM01:45

約3,300の臨床試験、100以上の市販後臨床開発の実績もつPRA社

武田薬品工業株式会社は9月13日、新たなパートナーとして米国のPRA Health Sciences, Inc.と提携する契約を締結したと発表した。この契約に基づき、PRA社は武田薬品の主要な戦略的パートナーとして武田薬品のパイプライン開発および販売許可取得後に必要な医薬品の市販後臨床開発を実施するとしている。

PRA社は、臨床開発サービスをバイオテクノロジー業界および医薬品業界に提供している開発業務受託機関(CRO)。

2000年以降、PRA社は世界で約3,300の臨床試験実施の実績があり、複数の疾患領域にわたり100以上の発売済みの医薬品の市販後臨床開発に取り組んできた。また、同社は、主要な、あるいは補助的な試験の業務を担い、米国食品医薬品局()やその他の国々の当局において60以上の医薬品を承認取得につなげてきた。

武田薬品の従業員約300人、PRA社に移籍の可能性も

今回の提携は、武田薬品からPRA社に移管される専門性とPRA社のグローバルな幅広い能力を融合する柔軟性の高いビジネスモデル。これにより、業務の効率性の改善、グローバル化のさらなる推進、インフラコストへの柔軟性を目指すとしている。この柔軟なアプローチは、必要とされる人材や活動などのリソースを集中させることにより新薬開発を推進するものであり、患者のニーズに応えることにフォーカスした極めて機動的な研究開発組織の構築にとって非常に重要なもの、と武田薬品は述べている。

提携により、PRA社は、臨床第1~4相試験にわたるパイプライン全体の管理のために、また、規制当局への申請準備や開発品・製品ポートフォリオに関する医薬品安全性監視などの業務上のサポート提供のためにPRA社内のリソースや専門性を武田薬品に振り向けることが可能となる。

この変革により、労使協議会、労働組合、従業員の代表者と適切な情報提供および協議がなされることを条件として、米国および欧州においては、臨床開発や市販後臨床開発を担う約300人の武田薬品の従業員が、PRAに移籍する選択肢を得ることになる。なお、日本の従業員に関する協議は、現在、武田薬品とPRA社の間で実施中。

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