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経口CSF-1R阻害剤「Pexidartinib」がFDAの画期的治療薬に指定-第一三共

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2015年11月06日 AM06:00

(TGCT)のBreakthrough Therapyに

第一三共株式会社は11月2日、同社の子会社である第一三共Inc.社と、Plexxikon Inc.社が共同で開発した、経口CSF-1R阻害剤「pexidartinib(PLX3397)」が、米国食品医薬品局()より、腱滑膜巨細胞腫(TGCT)の治療に対しての「画期的治療薬()」に指定されたことを発表した。

画期的治療薬指定は、重篤な疾患を有した患者がいち早く最新の治療法を享受できるよう、既存の治療法を大きく越えるような利点を有する可能性のある薬剤の開発と審査を早める為に定められた制度。現在、TGCTの治療に対して、FDAの承認を受けた全身療法はないという。

第1相臨床試験の結果から判断、欧米では第3相臨床試験が進行中

TGCTは、通常非転移性の希少がんで、滑膜で覆われた関節、滑液包及び腱鞘に影響を与える。色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)と腱鞘の巨細胞腫(GCT-TS)を含む腫瘍の一種である。

同剤は、Fms/Kit/Flt3-ITDの各受容体チロシンキナーゼを選択的に阻害するキナーゼ阻害剤。今回の画期的治療薬指定は、同剤の安全性と有効性を検討した単一アーム、多施設第1相臨床試験の延長コホートの結果から判断されたもの。この試験の結果は、7月30日号の「New England Journal of Medicine」7月30日号に掲載されている。

なお、現在同剤は、欧米においてTGCTに対し第3相臨床試験が進行中、また抗PD1抗体を含む他剤との併用他にて膠芽細胞腫、メラノーマ等の効能についても鋭意開発中だという。TGCTには、手術による腫瘍の除去以外有効な全身療法がないことから、同剤が医療ニーズを充足する薬剤となることが期待されている。

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