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AZ 2型糖尿病の長期コホート研究を他国に先駆け国内で開始

読了時間:約 1分21秒
2014年10月07日 PM01:30

グローバル規模の長期前向き試験「J-DISCOVER」

アストラゼネカ株式会社は9月30日、単剤治療では十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病患者における、2剤目を用いた治療の疾患管理パターンおよび臨床経過を観察する、グローバル規模の長期コホート研究「J-DISCOVER」を開始したことを発表した。


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J-DISCOVERは、世界に先駆けて日本国内で開始された長期コホート研究であり、2型糖尿病の診断をうけ、経口糖尿病治療薬を単剤使用している成人患者のうち、2剤目の経口または非経口治療薬による治療の開始を検討している患者を対象として、日本全国約100施設の糖尿病専門医および一般内科医からデータを収集して行うもの。

薬剤は特定せず、糖尿病治療薬全体および薬剤クラスごとに分析し、、空腹時血糖または随時血糖の血糖値、体重、血圧、血清脂質などのプロファイルについて、ベースラインからの変化量や推移、目標値達成率を調べる。

このほか、合併症の発現やQOL、食習慣、運動レベルなども調査項目として盛り込み、食事・運動療法から薬物治療まで、糖尿病治療全体をカバーする幅広い実態調査として実施するという。収集目標は2,000症例で、観察期間は3年。開始から6か月目、12か月目、24か月目、36か月目にそれぞれデータ収集を行う予定となっている。

治療選択肢の広がる糖尿病治療判断に有益な知見を

同研究は2014年年末から世界31か国で実施される予定。薬剤を特定することなく、糖尿病治療の食事・運動・薬剤という主要3分野にわたるデータ収集研究であり、企業主導研究としては珍しいケースにあたる。併用療法が大半を示すものとなり、薬剤治療の選択肢が広がった糖尿病治療において、医師がそれぞれのケースで適切な判断を行う上で、有益な知見をもたらす研究となることが期待されている。

さらにはこの研究を通じて、治療判断材料として活かされるべき患者の背景にある基礎疫学データが得られ、その臨床経過をみることが可能になるとみられることから、糖尿病治療の実態を明らかにし、さらなる同疾患の治療進展に貢献するものとなると考えられている。

▼外部リンク
アストラゼネカ株式会社 プレスリリース

 

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