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米イーライリリーと独ベーリンガー 新規インスリングラルギン製剤「LY2963016」の試験データを公開

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2014年07月02日 PM02:00

LANTUSと同等の安全性及び有効性を示す

米イーライリリー・アンド・カンパニーと独ベーリンガーインゲルハイムは6月14日、両社による提携開発品の新規インスリングラルギン製剤「LY2963016」が、現在販売されているインスリングラルギン製剤「LANTUS(R)」と同等の安全性及び有効性を持つことを示す臨床試験データを公開した。この第1相/第3相試験の結果は、第74回米国糖尿病学会学術集会で発表された。


この画像はイメージです

LY2963016は開発中の基礎インスリンで、食間及び夜間の持続的血糖コントロールを目的とする。LANTUSとアミノ酸配列が同じであり、世界各地でバイオ後続品として承認申請を行う予定という。ただし、米国などバイオ後続品とはみなされない地域もあるとしている。

すでに世界複数の規制当局にデータを提出

第3相試験は、1型糖尿病患者535人を対象に52週間の無作為化非盲検試験として実施したELEMENT-1試験と、2型糖尿病患者756人を対象とした24週間の無作為化二重盲検試験のELEMENT-2試験から成る。

1型糖尿病患者では、投与後24週にHbA1cがLY2963016で0.4%、市販品で0.5%低下、52週目ではいずれの投与群も0.3%低下したという。2型糖尿病患者では、投与後24週でいずれの投与群も1.3%低下している。有害事象の発現率も同程度と、市販品に対するLY2963016の非劣性が示された。

インスリン抗体産生及び臨床アウトカムに対する免疫応答の影響が同程度であるかどうかも評価され、LY2963016の免疫原性プロファイルは市販品と類似していたとしている。

第1相試験では、LY2963016と米国及び欧州で承認されているインスリングラルギンの薬物動態(PK)と薬力学(PD)について、健康な被験者を対象に3件の第1相、無作為化二重盲検、クロスオーバー、正常血糖クランプ試験で評価した。また第1相、無作為化二重盲検、クロスオーバー、グルコースクランプ試験で、1型糖尿病男性20人を対象に、空腹時でLY2963016と市販品の作用持続時間を評価している。

この結果、LY2963016と市販品のもつPK、PDプロファイルは同様で、LY2963016の忍容性は良好、有害事象、臨床検査値、バイタルサイン、心電図データにおける安全性の懸念はなかったという。1型糖尿病患者での作用持続時間平均はLY2963016で24時間、市販品で26時間だった。

6件の試験から、LY2963016の体内作用及び臨床結果がLANTUSと同等であることが示された。一連のデータは米国、欧州、日本をはじめ世界の複数の規制当局に提出済みとされている。(紫音 裕)

▼外部リンク
日本イーライリリー株式会社 プレスリリース

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