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バイエル ヘルスケア リオシグアトでPAHに対する効能追加承認申請を提出

読了時間:約 1分29秒
2014年05月08日 PM02:00

肺動脈性肺高血圧症治療薬での追加承認申請


(この画像はイメージです)

ヘルスケア社は4月23日、日本においてリオシグアトの肺動脈性肺高血圧症(PAH)に対する効能追加承認申請を行ったと発表した。リオシグアトは、2014年1月に慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の経口治療薬として製造販売承認を取得し、「アデムパス(R)錠」の販売名で、4月18日より発売が開始されている。

PAHは5種類ある肺高血圧症(PH)のひとつ。血管収縮により肺動脈圧が大きく上昇し、心不全や死亡に至る可能性のある進行性の重篤な疾患として知られる。希少な疾患であり、その患者数は100万人あたり15~52人、男性よりも女性における発症率が高いと報告されている。

多くの場合原因は不明で、いくつかの治療方法が存在するものの、患者の予後は依然として不良なままであり、死亡率も高いため、新たな治療選択肢の提供が望まれている。

2つの試験データをもとに追加承認を申請

同剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤と呼ばれる新クラスの薬剤。PHにおける重要分子メカニズムをターゲットとした経口治療薬として、バイエルが創製した。一酸化窒素(NO)の受容体であるsGC酵素がNOと結合すると、シグナル分子である環状グアノシン一リン酸(cGMP)の合成が促される。このcGMPが血管拡張、増殖、線維化、炎症を調整する役割をもっているとされる。

同剤は、NO−sGC結合を安定化することにより、内因性NOに対するsGCの反応性を高めるという独自の新規作用機序をもち、またNOによる刺激がない状況でも、異なる結合部位を介してsGCを直接刺激することができる。これによりNO−sGC−cGMP経路を回復させ、cGMPの産生増加を促してNOの欠乏に対処する。よって、ほかのPAH治療薬にみられるNOの非存在下ではcGMPの産生が低下してしまうといった点を克服できる可能性があるとして注目されている。

今回の効能追加承認申請は、国際共同第3相試験であるPATENT−1試験の結果と、長期継続試験のPATENT−2試験の申請時点までに収集された長期データをもとに行われている。いずれの試験も、同剤の有効性および安全性を評価したという。(紫音 裕)

▼外部リンク

バイエル ヘルスケア社 プレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/

 

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