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エドワーズ 経カテーテル大動脈弁治療用生体弁最新モデルの国内発売を開始

読了時間:約 1分27秒
2013年10月09日 PM08:24

新たな治療の可能性を拓いた「」が日本上陸

エドワーズライフサイエンス株式会社は10月1日、日本で初めてのものとなる経カテーテル大動脈弁治療用生体弁最新モデル「サピエンXT」の発売を開始したと発表した。手術不能な重症の大動脈弁狭窄症患者に新たな治療の可能性を拓くものとしている。

「サピエンXT」を使用して行う経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)は、従来のように手術で開胸したり、人工心肺を用いて心臓を止めたりといったことのない全く新しい治療法で、2011年には米ウォールストリートジャーナルで、「WSJが選ぶ2011年の7つの発明」のひとつにも選ばれた。

(画像はプレスリリースより)

米国よりも早い最新モデルの導入

開胸による大動脈弁置換術はスタンダードな治療だが、患者が高齢である場合や、心臓以外の疾患をもっている場合など、適用できないケースもあり、そうした患者においては、大動脈弁狭窄症の根治は望めず、対症療法しか選択肢がなかった。

一方TAVIは、開胸せず、生体弁「サピエンXT」をバルーンの付いたカテーテルに折りたたんで装着し、心臓は拍動した状態のまま、経大腿(TF)、経心尖(TA)のいずれかのアプローチにより大動脈弁の位置まで運ぶ。そしてバルーンとともに「サピエンXT」を開き、留置する。この方法であれば、従来に比べ患者の体への負担が少なく、先述のような手術不能なケースにおいても治療の可能性が拓かれるとしている。

TAVIは欧州では2007年から、米国では2011年から臨床に導入されている。最新モデルの「サピエンXT」については、欧州では2010年に臨床導入されたが、米国では治験中であり、現在は前世代モデルが使用されている。前世代モデルと最新モデルの大きな違いは、ステンレス製フレームからコバルトクロム合金製フレームとなったこと。これにより、さらに細く折りたたむことが可能となったため、より細い血管の患者における治療ができるようになった。これは体格的に小柄な日本の患者に、より適したモデルであると考えられている。 

なお、販売は「サピエンXT」生体弁に加え、専用のデリバリーシステム、インフレーションデバイス、クリンパ、シースセット他を含むキット単位で行われる。(紫音 裕)

▼外部リンク

エドワーズライフサイエンス株式会社 プレスリリース
http://ht.edwards.com/scin/edwards/jp/

 

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