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富士フイルム サラシア属植物のヒトにおける免疫力向上作用を実証

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2013年02月07日 PM12:13

インフルエンザにも効果がある可能性

富士フイルム株式会社は、東京医科歯科大学(廣川 勝昱名誉教授)と共同で行ってきた試験においてサラシア属植物の、ヒトにおける免疫力向上作用を実証したと発表した。

サラシアは、デチンムル科のサラシア属植物の総称で、インドやスリランカなど南アジア地域に自生している。インドに古くから伝わる伝承医学では、初期の糖尿病治療のために使用されてきた。

同社ではこれまでの研究で、サラシア属植物抽出エキスに、小腸での糖の吸収が抑制され血糖値上昇を抑える効果や、インフルエンザ感染時の症状が軽減する働きがあることを動物試験で実証してきている。

また、ヒトにおいては、腸内のpH低下やアンモニア・腐敗産物減少が起こり、腸内環境が改善されることや、腸内細菌叢改善効果が得られることを明らかにしてきた。

(Wikipediaより引用)

免疫力を増加させ、外敵に対する防御能力が向上

同社では、これまでの研究から、サラシア属植物抽出エキスの摂取により、ヒトにおいても腸内細菌叢変化から、免疫力向上作用を発揮するのではないかと考え、この試験を行った。

共同試験では、疲労感があり疲れがとれにくい健常な30歳以上60歳未満の男性10名に、サラシア属植物抽出エキスを1日に240mg、4週間続けて摂取をしてもった。

そして、4週間後に被験者から採血と糞便の採取をし、腸内細菌叢をT-RFLP法で測定、フローサイトメトリー法で、ナイーブT細胞など血液中のリンパ球の計測や、細胞培養によってT細胞増殖能の測定などを行った。

その結果、

・腸内の善玉菌が増加し悪玉菌が減少
・ナイーブT細胞の増加が見られ、摂取前に対して摂取後で平均24%増加
・T細胞増殖能が平均8%、T細胞増殖係数が平均11%増加


という効果があることが判明した。これらの結果から、外敵に対する防御能力が向上することが実証できたと言える。

同社では、平成25年5月24日から名古屋大学で開催される「第67回日本栄養・食糧学会大会」に、これらの研究内容を発表する予定である。

▼外部リンク

富士フイルム株式会社 ニュースリリース
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/

東京医科歯科大学
http://www.tmd.ac.jp/

第67回日本栄養・食糧学会大会
http://square.umin.ac.jp/eishok67/index.html

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