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骨が再生する!?阪大が最新の歯周病治療法を開発

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2012年07月02日 PM12:00
これで歯周病も怖くない!

歯槽のう漏や歯肉炎などの歯周病で失われた骨を再生する治療法が開発された。

開発を行なったのは大阪大学の村上教授と整形外科分野や脂質・糖尿病を中心とした内科分野に特化した医薬品メーカーの科研製薬で、2012年度中に最終治験を始める予定で、2015年以降の実用化を目標にしている。

歯周病は、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気で、若いときに歯を失うのは原因が虫歯であるのに対して、40代を過ぎてから歯を失う最大の原因はこの歯周病と言われている。また、日本は35歳以上の約8割が歯周病だと言われおり、「歯周病大国」と呼ばれている。

歯周病には痛みなどの自覚症状がほろんどないため、気付いたときには炎症が起こり歯を支えるあごの骨が破壊され、悪化すると回復が難しく、歯が抜けてしまうケースに至る。

骨を再生するタンパク質

今回、新しく開発された治療法は、骨の成分を増やす特殊なたんぱく質「FGF-2」(別称:bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子:basic fibroblast growth factor))の製剤を、手術の際に患部に塗るというもので、既にビーグル犬の実験などで効果を確認し、実際に患者でも試したという。

人間での実験でも、投薬から9ヶ月後にあごの骨の量が約6割も増え、重大な副作用は起こっていない。

手法が簡単なため、歯科医院でも治療できるとみており、重症になる前に治療すれば、歯を抜かずに済むようになるという。

▼外部リンク

科研製薬 2007年6月19日のリリース
bFGFの欧米における歯科領域に関するライセンス契約について
http://www.kaken.co.jp/nr/release/nr20070619.html

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/

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