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腎臓から造血幹細胞を分離する手法を開発、ゼブラフィッシュの研究で-金沢大

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2019年12月04日 AM11:45

造血幹細胞に不可欠な遺伝子「gata2a」「runx1」に着目

金沢大学は12月3日、ゼブラフィッシュの成体から造血幹細胞を分離する手法を開発したと発表した。この研究は、同大学理工研究域生命理工学系の小林功助教らの研究グループによるもの。研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。

造血幹細胞は、さまざまな血液細胞を生涯にわたり作り続ける細胞。造血幹細胞の性質を明らかにすることは、白血病などの血液に関連する病気の治療法を開発するために重要だ。ヒトの造血幹細胞は骨髄中に存在し、その存在比率はわずか0.005%程度。そのため解析が難しく、増殖や分化の仕組みについては不明な点が多い。

インド原産の熱帯魚であるゼブラフィッシュは、飼育が比較的容易で、生きたままの状態で組織や細胞の観察が可能なことなどから、幹細胞研究のモデル生物として使用されている。ゼブラフィッシュなどの魚類は腎臓内で造血が行われているが、ゼブラフィッシュの腎臓から造血幹細胞だけを分離することは難しく、研究課題のひとつだった。

今回、研究グループは、造血幹細胞に不可欠な遺伝子「gata2a」「runx1」に着目。これら2つの遺伝子を分子マーカーとして用いることで、ゼブラフィッシュの腎臓から造血幹細胞を分離する手法を開発した。


画像はリリースより

従来法よりも造血幹細胞を540倍に濃縮できる手法を開発

研究グループは、gata2aおよびrunx1遺伝子を、それぞれ緑色蛍光タンパク(GFP)および赤色蛍光タンパク(mCherry)で標識した上で、緑と赤の両方の蛍光を放つ細胞だけをフローサイトメトリー法によって回収。フローサイトメトリー法は、細胞を懸濁した液体を細い管に流すことで細胞が一列に流れる状態にし、細胞一つ一つにレーザーを当て、反射光や蛍光を測定することで細胞の大きさや特性などを検出する方法だ。回収した細胞を用いて細胞移植実験および細胞培養実験を行った結果、この細胞集団に造血幹細胞が濃縮されていることが明らかになった。細胞移植実験の結果では、100個のgata2a+runx1+細胞が、100万個以上に及ぶ全ての血液細胞を16週間以上にわたって供給し続けていたという。

今回開発された手法は、従来の方法よりも造血幹細胞を540倍に濃縮できるため、これまで困難とされてきた造血幹細胞レベルでのさまざまな解析を容易にする。さらに、ゼブラフィッシュのモデル生物としての利点を生かし、将来的には生きたままの状態で造血幹細胞の挙動を観察できる可能性があるという。「今後、造血幹細胞に関する研究や解析が進展することで、造血幹細胞が分裂・増殖しながらさまざまな血液細胞を供給し続けている仕組みの解明につながることが期待される」と、研究グループは述べている。

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