医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > SGLT2阻害剤フォシーガ、慢性腎臓病治療薬開発でFDAからファストトラック指定-英AZ

SGLT2阻害剤フォシーガ、慢性腎臓病治療薬開発でFDAからファストトラック指定-英AZ

読了時間:約 1分20秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年09月04日 AM11:45

2型糖尿病合併・非合併CKDの心血管死・腎死の予防などを対象に

英アストラゼネカ社は8月27日、SGLT2阻害剤フォシーガ(米国での製品名:Farxiga、一般名:)について、(CKD)患者の腎不全の進行遅延、心血管死ならびに腎死の予防を目的とした開発が、)よりファストトラック指定を受けたことを発表した。今回のファストトラック指定は、2型糖尿病合併および非合併のCKD患者を対象に付与された。

フォシーガは、成人2型糖尿病患者の食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスのSGLT2阻害剤。日本では、2019年3月、1型糖尿病の適応を取得した。フォシーガの臨床プログラムは、終了済みの試験を含め3万5,000例以上の患者を対象とする35件以上の第2b/3相試験から構成されており、これまでに250万患者年以上に処方されている。なお、フォシーガのCKDとしての適応を取得している国はまだない。

日本人含む2型糖尿病合併・非合併のCKDのP3試験が進行中

現在進行中の第3相DAPA-CKD試験は、日本人を含む2型糖尿病合併および非合併のCKD患者を対象に、CKDの標準治療への追加治療としてフォシーガを使用した際の腎転帰および心血管死に対する効果を、プラセボとの比較で検討する試験。

CKDは、腎機能が低下することにより起こる重篤な進行性の疾患。腎機能の低下は、推算糸球体ろ過量(eGFR)の低下、あるいは腎臓損傷の複数のバイオマーカー反応、もしくはその両方が、最低3か月間認められた場合と定義される。CKDを発症するもっとも一般的な疾患は、糖尿病と高血圧であり、世界で推定2億人の成人がCKDに罹患している。CKDは治療抵抗性高血圧、慢性的な体液過剰状態、、心血管死や全死亡のリスクを増加させる。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESRD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となる。(QLifePro編集部)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症、補体(C5)阻害剤と併用投与する薬剤「ボイデヤ(R)」の国内初の承認を取得-アレクシオンファーマ
  • 多発性嚢胞腎、iPS病態モデルから見出した治療薬候補の前期P2試験開始-CiRAほか
  • 男性型脱毛症(AGA)治療薬、デュタステリド錠0.5mgZA「トーワ」発売-東和薬品
  • イブグリース、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎で承認-リリー
  • 血液で肝臓線維化を定量評価、「HISCL M2BPGi-Qt試薬」保険適用-シスメックス