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バリシチニブ、中等症~重症アトピー性皮膚炎対象のP3試験のトップライン結果を発表-米リリーら

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2019年02月12日 AM11:45

」の商品名で販売されているJAK阻害剤

米国のイーライリリー・アンド・カンパニーとインサイト・コーポレーションは、2月4日、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人患者の治療を目的としたバリシチニブ単独療法の有効性および安全性を評価する第3相臨床試験であるBREEZE-AD1試験および BREEZE-AD2試験で、主要評価項目を達成したと発表した。

バリシチニブは、「オルミエント(Olumiant)(R)」の商品名で販売されている1日1回経口投与のJAK阻害剤。中等度から高度疾患活動性の成人関節リウマチ(RA)患者の治療薬として、米国、EU加盟国など50か国以上で承認されており、日本では「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を適応症として承認されている。

主要評価項目を達成した患者割合が有意に高く

BREEZE-AD1試験およびBREEZE-AD2試験は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人患者を対象として、バリシチニブ単独療法の有効性および安全性を評価する、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相臨床試験。5ポイントからなる治験担当医師による全般的な重症度についての総合評価(IGA)の尺度で疾患活動性を評価し、バリシチニブの投与16週時に消失(0)またはほぼ消失(1)かつ2ポイント以上の改善を達成した被験者の割合によって、疾患活動性が有意に改善したかを判定した。

その結果、両試験において、バリシチニブを投与した患者群では、プラセボを投与した患者群と比較して、主要評価項目を達成した患者の割合が統計学的に有意に高いことが示された。BREEZE-AD1試験およびBREEZE-AD2試験における16週間のプラセボ比較期間において、投与中に発生した有害事象および重篤な有害事象の発現は、バリシチニブ群とプラセボ群において同程度だった。最も頻度の高かった有害事象は、上咽頭炎と頭痛。静脈血栓塞栓症()、主要心血管系イベント()および死亡は報告されなかった。

なお、リリーは、BREEZE-AD1およびBREEZE-AD2の両試験の詳細な結果を医学学会および査読論文で発表するとともに、今年中に、現在進行中のその他の第3相臨床試験のトップライン結果を発表する予定としている。(横山香織)

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