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遺伝性乳がん・卵巣がんの原因分子BRCA1の新規結合分子RACK1を発見-東北大

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2019年01月16日 PM12:45

BRCA1の新しい結合分子「」を同定

東北大学は1月11日、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の原因になるBRCA1の新しい結合分子「RACK1(Receptor for activated C kinase)」を同定したと発表した。この研究は、同大加齢医学研究所腫瘍生物学分野の千葉奈津子教授、吉野優樹助教らと、加齢ゲノム制御プロテオーム寄付研究部門安井明教授(現加齢研フェロー)らによるもの。研究成果は、Oncogene誌オンライン版に、1月7日付で公開された。


画像はリリースより

生まれつきBRCA1に変異を持つ人は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群になる可能性が高いと知られている。BRCA1はBARD1と結合して複合体を形成し、DNA修復や中心体制御に関与する。中心体は、細胞分裂期に染色体を均等に娘細胞に分配するための紡錘体の極として働く重要な細胞内小器官で、その機能の異常は発がんにつながると考えられている。同研究グループは、これまでの研究で、BARD1に結合する分子Obg-like ATPase 1()を同定し、OLA1がBRCA1、BARD1とともに、中心体の複製に関与し、BRCA1のがん抑制機能に重要であることを明らかにしてきた。

中心体の機能調節が、乳がんの発症を抑える可能

今回の研究では、OLA1結合分子として、RACK1を同定した。RACK1は、細胞周期を通じて中心体に局在しており、OLA1に加えて、、BARD1、中心体を構成するγ-tubulinなどと結合した。

RACK1の発現量が不足するとBRCA1の中心体局在が異常になり、中心体の複製が抑制された。一方で、RACK1の発現量が過剰になると、BRCA1の中心体局在が増強した。このとき、乳腺由来の細胞では、中心体の複製が亢進し、中心体の数が異常に増加する現象が見られた。また、がんで認められた変異から、BRCA1-RACK1の結合力が落ちるBRCA1変異とRACK1変異を同定。これらの変異体が、BRCA1の中心体局在の制御や中心体複製の制御に異常をきたすことを明らかにした。さらに、乳腺由来細胞は、他の組織由来の細胞に比べ、中心体複製のタイミングが早まっている可能性を示す形態的な特徴をもつことが判明した。このことは、BRCA1の異常による乳がん発症理由のひとつであると研究グループは考察している。

これらの結果から、RACK1は、BRCA1-RACK1の結合を介して、BRCA1の中心体局在を制御し、中心体の複製を制御することが明らかになった。また、その異常が、特に乳がんの発症に関与する可能性が示唆された。本研究成果は、中心体の機能を調節することにより、遺伝性乳がんに加えて、一般の乳がんの発症も抑えられる可能性があることを示した。新しいがんの治療法開発にも貢献することが期待される。

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