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【財政審が建議】費用対評価拡大を要求-セルフMの推進も明記

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2024年05月24日 AM11:05

財務省の財政制度等審議会は21日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)に向けた「春の建議」を取りまとめ、鈴木俊一財務相に提出した。2025年度薬価改定から既収載品の算定ルールを全て適用することや、費用対効果評価の対象薬剤や価格調整対象範囲の拡大を要求。OTC類似薬の自己負担のあり方については、保険外併用療法費制度の拡大に関する検討などが必要とした。

医療分野では、高齢化の進展でさらなる薬剤費の増加が見込まれる中、薬価の毎年改定を着実に実施するよう要求。国民皆保険制度の持続可能性確保と、イノベーション推進を両立させる配分見直しを行う必要があるとした。

毎年改定が実施される中、新薬創出等加算の累積額控除や長期収載品に関する算定ルールを引き合いに、2年に1度しか適用されないルールがあるのは「合理的な説明が困難」として、来年度改定では既収載品の算定ルールを全て適用するよう求めた。

薬価の費用対効果評価制度については、対象となる薬剤の範囲や価格調整対象範囲を拡大すると共に、評価結果を保険償還の可否の判断にも用いることを検討すべきとし、費用対効果評価の実施体制の強化も必要とした。

ドラッグラグ・ロスの背景の一つとして、薬剤費の配分に問題があると指摘。真に革新的な医薬品と費用対効果評価が低い医薬品を区分して評価し、小児用・希少疾病用医薬品を適切に評価することも含め、薬価配分にメリハリをつけるよう求めた。

後発品上市後に改めて新規性が乏しい新薬が高値で収載される現状について、類似薬効比較方式IIで「類似の薬価」と比較して薬価を定める際に、類似薬に後発品が上市されている場合は、その価格を考慮して定めるべきとした。

一方、保険給付範囲のあり方では、セルフメディケーション推進を盛り込んだ。OTC類似薬に関する薬剤の自己負担のあり方について、保険外併用療養費制度の柔軟な活用・拡大を検討するよう要求。有用性が低いものは自己負担を増やす、または薬剤費の一定額までは自己負担するなどの対応を検討すべきとした。

国民の利便性向上に貢献する医薬品のスイッチOTC化を進め、薬局で購入できる医薬品の選択肢も増やすことも求めた。

 

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