調査は、業務実態を把握するため、NPhA正会員企業に属する認定薬局17社262薬局を対象に2022年10~11月に行ったもの。
直近1年間における在宅に関する実績を見ると、在宅訪問管理指導を当該薬局で受けている患者数は地域連携薬局が73人、専門医療機関連携薬局が22人だった。無菌調剤が必要な在宅患者数は地域連携薬局で2.90人、専門医療機関連携薬局で0.56人と少なく、小児の在宅患者数は地域連携薬局で0.43人、専門医療機関連携薬局で0.50人とさらに少なかった。
無菌調剤に対応できる薬局が不足しており、無菌調剤の実績がある薬局は15.3%、小児在宅患者では16.8%にとどまった。無菌製剤処理設備のある71薬局で無菌調剤の実績ありと回答したのは47.9%、小児在宅患者の実績がある薬局は38.0%となっている。
直近1年間の連携に関する実績を見ると、外来利用者に関する医療機関等への情報共有実績は地域連携薬局が239回、専門医療機関連携薬局は488回、癌患者に関する情報共有実績は地域連携薬局が30回、専門医療機関連携薬局が346回となった。
入院時に医療機関等に情報共有を行った実績は地域連携薬局が2.25回、専門医療機関連携薬局は12.94回、退院時は地域連携薬局が4.31回、専門医療機関連携薬局が4.67回と少なかった。日常の薬局業務では連携が比較的取れている一方、退院時の対応が課題と言えそうだ。
認定取得のメリット・デメリットについても聞いた。認定取得のメリットとしては「従業員のスキル向上」が最も多く、「従業員のモチベーション向上」「スムーズな多職種連携・連携機会の増加」「患者からの信頼度向上」が続いた。全体の2割弱で「売上向上」「患者数増加」を挙げる声もあった。
デメリットについては「業務時間・残業時間の増大」「人手不足」が上位回答で、具体的には在宅業務が増えたことによる負担やトレーシングレポート・報告書作成の増加で業務時間や残業時間が増えているとした。
首藤正一会長は9日の定例会見で、「認定取得のデメリットとして指摘されているものは付いてくるものなので解消するのが難しいが、将来的に調剤報酬の点数と結びつくとデメリットではなくなると考えている」と述べた。