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センタナファジン、成人ADHD対象P3試験でプラセボに対して有意な改善効果-大塚製薬

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2020年06月15日 AM11:45

トリプル再取込阻害の作用機序を有するセンタナファジン

大塚製薬株式会社は6月12日、注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬センタナファジンについて、米国で実施した成人対象の臨床試験(フェーズ3)で、主要および副次評価項目においてプラセボに対して有意な改善効果を示したと発表した。

ADHDは、不注意(散漫性、物忘れ)、多動性・衝動性(そわそわする、落ち着きのなさ)を特徴とする発達障害。現在、米国では成人の推定5%である約1100万人がADHDと診断され、精神刺激薬が主に処方されているが、中枢興奮作用および精神依存性や薬剤耐性が課題であり、乱用などが問題視されている。そのため、刺激薬と同等の有効性を持ちながら、非刺激薬と同じ忍容性で乱用の懸念が少ない薬剤が求められている。

センタナファジンは、ノルエピネフリン、セロトニンおよびドパミンの再取込を抑制するトリプル再取込阻害という作用機序を有する薬剤。ADHD治療の新たな選択肢のひとつとなる可能性がある。

ADHD評価スケールのベースラインからの変化量において統計的に有意な改善

今回発表された2つのフェーズ3試験は、18~55歳の米国内の成人ADHD患者約900人を対象にした、多施設共同、無作為化、並行群間、プラセボ対照、二重盲検比較試験。試験の結果、主要評価項目であるADHD評価スケール(AISRS:Adult ADHD Investigator Symptom Rating Scale)のベースラインからの変化量において、センタナファジン200mgおよび400mg投与群は、プラセボ投与群に比べ、統計的に有意な改善を示した。また、副次評価項目である臨床全般印象評価尺度-重症度(CGI-S:Clinical Global Impressions-Severity of Illness scale)においても、センタナファジン投与群はプラセボ投与群に比べ、統計的に有意な改善を示したという。

現時点で臨床上問題となる安全性および忍容性の所見は特に認められず、主な有害事象は、食欲減退、頭痛、吐き気、口渇、下痢などだった。

同社は、今後さらなる試験結果の解析を進めるとともに、米国FDAと次の段階について協議を進めていくとし、あわせて、小児のADHD患者を対象にした臨床試験を実施する予定だとしている。(QLifePro編集部)

 

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