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トレアキシンのSLEに対する治療効果を調べる慶大との共同研究を開始-シンバイオ

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2018年05月14日 PM12:15

治療選択肢が限られている全身性エリテマトーデス(

シンバイオ製薬株式会社は5月10日、「(R)」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)の全身性エリテマトーデス(SLE)に対する治療効果を確認することを目的とする臨床前試験を実施するため、慶應義塾大学と共同研究契約を締結したことを発表した。同大の研究代表者は、リウマチ・膠原病内科の竹内勤教授。

SLEは、全身の多くの部位や臓器に障害をもたらすことのある自己免疫疾患の一種で、日本国内の患者数は6~10万人と推定されている。現状の治療では主にステロイドが使用されているが、ステロイドによる治療効果が得られない場合は、標準治療として免疫抑制剤であるシクロホスファミドが選択される。しかし、シクロホスファミドによる治療は脱毛や骨髄抑制などの副作用がともなうため、より副作用が少ない効果的な治療方法の開発が切望されている。

IL‐10の産生の誘導で得られる抗炎症作用に期待

トレアキシンは1970年代からドイツで使用が開始された殺細胞性の抗腫瘍薬。現在50か国以上で、低悪性度非ホジキンリンパ腫、、慢性リンパ性白血病などを適応として使用されている。悪性リンパ腫の治療においては、第一選択薬として既に多くの患者の治療に使用され、脱毛等が少ないなど、副作用の面でも優れている。また、既にヒト細胞を用いた基礎試験において、炎症を抑えるインターロイキン‐10の産生を誘導することによる抗炎症作用が確認されていることから、自己免疫疾患に対する臨床効果が期待される。

シンバイオは悪性リンパ腫の適応拡大のみならず自己免疫疾患を対象としてトレアキシンのプラットフォーム化を推し進めており、今回の共同研究もその事業展開の一環。自己免疫疾患の中でも未充足の医療ニーズが高いSLEを対象として、現在、同経口剤による臨床試験を計画中であり、そのための臨床前試験を実施する。今後、慶応大学との共同研究で同経口剤および同液剤のさらなる可能性を探っていきたいとしている。

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