医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 再発・難治性急性リンパ性白血病治療薬「ベスポンサ」を発売−ファイザー

再発・難治性急性リンパ性白血病治療薬「ベスポンサ」を発売−ファイザー

読了時間:約 1分28秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年04月20日 PM12:15

殺腫瘍細胞効果を白血病細胞で特異的に発揮

ファイザー株式会社は4月18日、「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病()」の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22モノクローナル抗体「ベスポンサ(R)点滴静注用1mg」(一般名:イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え))の発売を開始したと発表した。


画像はリリースより

ベスポンサは、CD22を標的にするモノクローナル抗体のイノツズマブと細胞傷害性化合物のカリケアマイシンを組み合わせることで、殺腫瘍細胞効果を白血病細胞で特異的に発揮するよう設計された日本で唯一の薬剤。臨床試験において、80%以上の高い寛解率を示し、治癒を目指すための造血幹細胞移植につながる可能性が高まることが期待されている。同疾患に対してベスポンサは、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されている。

欧米でもB細胞性ALLに対する希少疾病用医薬品として使用

ALLは急性白血病の一種で、予後は不良とされている。日本のALLの患者数は2005年に約3,000例、2008年に約4,000例、2011年に約5,000例、2014年に約5,000例と報告されており、近年増加傾向にある。現在の標準治療は長期的で強力な化学療法で、約20から40%の患者は現在の治療で治癒するとされているが、再発または難治性の成人ALL患者の5年生存率は10%以下と報告されている。

米国においてベスポンサは「再発又は難治性の前駆B細胞性ALL」の成人患者に対する薬剤として、(FDA)のブレークスルー・セラピー()指定および優先審査プログラムの下で審査され、2017年8月に承認された。欧州においては、「再発又は難治性のCD22陽性前駆B細胞性ALL」の成人患者に対する単剤療法として、2017年6月に承認されている。同適応には、フィラデルフィア染色体陰性(Ph-)だけでなく、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)の再発または難治性の前駆B細胞性ALLも含まれており、Ph+のCD22陽性前駆B細胞性ALL成人患者の場合、少なくとも1種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬による治療が奏効しなかった場合に適応となる。また、米国では2013年3月、欧州では同年6月に、B細胞性ALLに対する希少疾病用医薬品の指定を受けている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大