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ロルラチニブ、第三世代のALK陽性NSCLC治療薬として承認申請-ファイザー

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2018年02月01日 AM11:30

開発中の第三世代ALK/ROS1チロシンキナーゼ阻害剤

ファイザー株式会社は1月30日、/チロシンキナーゼ阻害剤ロルラチニブ(開発番号:)について、ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん()の効能・効果で国内製造販売承認を申請したと発表した。

ロルラチニブは、開発中の第三世代ALK/ROS1チロシンキナーゼ阻害剤で、ALK融合遺伝子とROS1融合遺伝子の染色体再構成を有する非臨床肺がんモデルで高い活性を示す。とくに、他のALK阻害剤に抵抗性を示す変異腫瘍に対しても効果を発揮できるように、また、血液脳関門を通過できるように設計されている。

日本も参加したP1/2試験の結果に基づく申請

今回の申請は、日本も参加した国際共同第1/2相試験の結果に基づくもの。第2相試験では、脳転移がない、あるいは無症候性の脳転移(治療歴の有無を問わない)を有する患者275名を対象に、ロルラチニブの抗腫瘍活性と安全性を検討。主要評価項目は、独立中央判定(ICR)に基づく客観的奏効率(ORR)と頭蓋内ORR(IC-ORR)。

試験の結果、ALK陽性、未治療の場合で、ORRは90%(27/30;95%CI:74,98)、IC-ORRは75%(6/8;95%CI:35,97)。ALK陽性でクリゾチニブによる前治療歴あり(化学療法による治療歴を問わない)の場合で、ORRは69%(41/59;95%CI:56,81)、IC-ORRは68%(25/37;95%CI:50,82)。ALK陽性、クリゾチニブ以外のALK阻害剤による前治療歴あり(化学療法による治療歴を問わない)の場合で、ORRは33%(9/27;95%CI:16,54)、IC-ORRは42%(5/12;95%CI:15,72)。

ALK陽性、2または3レジメンのALK阻害剤による前治療歴あり(化学療法による治療歴を問わない)の場合で、ORRは39%(43/111;95%CI:30,49)、IC-ORRは48%(40/83;95%CI:37,59)。ROS1陽性(前治療歴の有無を問わない)の場合で、ORRは36%(17/47;95%CI:23,52)、IC-ORRは56%(14/25;95%CI:35,76)という結果だった。

ロルラチニブの忍容性は概ね良好で、有害事象の大部分は軽度から中等度、ロルラチニブの減量や投与中断、または標準的な薬物療法によって管理可能だとしている。

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