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東大病院 アディポネクチン受容体を活性化して健康長寿を実現する内服薬の種を発見

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2013年11月17日 PM12:00

アディポネクチン受容体を活性化する低分子化合物

東京大学医学部附属病院、糖尿病・代謝内科(門脇孝教授、山内敏正講師ら)の研究室は、マウスを用いた実験により、アディポネクチンの代わりにアディポネクチン受容体を活性化する内服薬(低分子化合物)の種を発見したと発表した。

(画像はWikiメディアより引用)

脂肪細胞から分泌される善玉ホルモン

同研究室は、これまでの研究により脂肪細胞から分泌されるホルモンであるアディポネクチンが、抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を有するだけでなく、健康長寿を助ける善玉のホルモンであることを明らかにしてきた。

実際、肥満によって血液中のアディポネクチンの量が低下すると、メタボリックシンドロームや糖尿病の原因となるだけでなく心血管疾患や癌のリスクも高め、その結果、短命になることが知られている。

そのため、アディポネクチンと同じような効果を持つ物質、またアディポネクチンの作用を細胞内に伝えるアディポネクチン受容体を活性化するような化合物の発見が期待されてきた。

運動と同様の効果をもたらす内服薬の種

今回の研究で発見された、内服薬(低分子化合物)の種は、糖・脂質代謝を改善させるだけでなく、生活習慣病により短くなった寿命を回復させることも明らかになったという。

この低分子量化合物に関する研究が進むことにより、内科的疾患や運動器疾患などによって運動ができない場合でも、アディポネクチン受容体を活性化することで、メタボリックシンドロームや糖尿病の効果的な治療法となるのみならず、健康長寿の実現にもつながることが期待できるとしている。(鈴木ミホ)

▼外部リンク

東京大学附属病院 プレスリリース
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/press_archive/20131031.html

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