巷ではインフルエンザの話題が増えてきていますが、この季節はインフルエンザではない「ただの風邪」にかかる人も多いものです。
風邪には、様々な民間療法や言い伝えもあります。今回は、風邪に効く食べ物についての知識を復習しましょう。
にんにくも、古くから風邪に効くと信じられていた食材の一つです。ところが、にんにくを3ヶ月間毎日食べた145人を、プラセボ群と比較しても、風邪にかかる日数は変わらないことが分かったので、イメージしているよりも効果がないことが分かりました。
ビタミンCが風邪に良い、というのは古くから多くの人が信じています。このため、風邪に良い食べ物はビタミンCが豊富で、風邪が流行る冬の時期に手に入る食材が挙げられています。日本なら、みかんがトップバッターでしょうか。
ところが、調査結果を総合すると、ビタミンCには風邪を予防する効果はないことが明らかになっています。けれどもビタミンCには、風邪を引いたときに、その期間を短縮することが出来るのです。このため、以前は風邪を引かないための予防策として考えられていた、一定量のビタミンCを日常的に摂る方法は、実は風邪を引いたときに素早く回復するためというのが実際のところなのです。
亜鉛と風邪の関係を15の研究結果を統合して判断すると、「ホント」となるようです。亜鉛のサプリを摂ると、風邪の症状の度合いと期間を軽くすることが出来るのです。ただし、亜鉛を飲んだ後に気分が悪くなったり吐き気を催したりする人もいました。治療的に亜鉛を摂りたい場合は、かかりつけ医に相談すると良いでしょう。
スープは、日本と言わず世界のあちこちで風邪に効くと言われているものの一つです。温かいスープは、体全体を温めますし、塩分を含むので脱水の予防になることなどからも、風邪の症状を和らげるのにぴったりです。温かい湯気を吸入することで、熱に弱い風邪のウィルスを退治できることもあるそうです。
インフルエンザのように劇症化することが少ないため、早めに適切な対処をすれば、辛い症状も最小限に抑えられそうです。日本でも簡単に取り入れられる食べ物で、この冬を乗り越えましょう。
▼外部リンク
The Cocharane Library ; Garlic for the common cold
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD006206.pub3/abstract
The Journal of Family Practice ; Zinc for colds? Yes, but don’t swallow whole!
http://stg.jfponline.com/Pages.asp?AID=10129&issue=January%202012&UID=
Examining the evidence for the use of vitamin C in the prophylaxis and treatment of the common cold
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/
The Cocharane Library ; Heated, humidified air for the common cold
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/
