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VMAT2阻害剤Valbenazine、遅発性ジスキネジアを対象とするP2/3臨床試験開始-田辺三菱製薬

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2017年07月31日 PM02:10

米ニューロクラインバイオサイエンス社から導入

田辺三菱製薬株式会社は7月27日、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害剤「」(一般名:)について、遅発性ジスキネジアを対象とした国内第2/3相臨床試験(J-KINECT試験)を開始したと発表した。

遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬などを長期間服用することで起こる不随意運動で、ドパミンの感受性増加等が原因と考えられている。症状は患者ごとに異なり、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせるなど、顔面に主に現れるが、四肢や体幹部でも認められる。重症になれば嚥下障害や呼吸困難になる可能性がある。

MT-5199は、米ニューロクラインバイオサイエンス社から導入したVMAT2阻害剤。神経終末に存在するVMAT2を阻害することにより、ドパミン等の神経伝達物質のシナプス前小胞への取込みを減らし、不随意運動の発生に関わるドパミン神経系の機能を正常化させる。

米国では、2017年4月に遅発性ジスキネジアを適応症として承認取得

J-KINECT試験は、中等度又は高度の遅発性ジスキネジア患者にMT-5199を1日1回、最長48週間投与した際の有効性及び安全性を、プラセボを対照として検証する無作為化二重盲検比較試験。同試験には、プラセボ対照期間(6週間)とMT-5199継続投与期間(42週間)が設定されている。有効性の主要評価項目は、異常不随意運動評価尺度(AIMS)スコアの変化量。ベースラインから投与6週後までのAIMSスコア変化量をプラセボと比較することで、遅発性ジスキネジア症状に対するMT-5199の治療効果を評価するという。

MT-5199は米国において、ニューロクラインバイオサイエンス社が2017年4月に遅発性ジスキネジアを適応症として承認を取得。田辺三菱製薬は、ニューロクラインバイオサイエンス社との間で、2015年3月31日にMT-5199に関する日本およびアジアにおける独占的開発・販売権に係るライセンス契約を締結している。

 

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