厚生労働省の「感染症対策物資の確保に関する意見交換会」の初会合が開かれ、物資確保に関する法的枠組み案が示された。医薬品等を対象物資とし、生産、輸入、売り渡し、保管等に関する要請や指示の仕組みを記載。厚労省は、感染症法に盛り込み、3月をメドに改正法案を通常国会に提出することを目指している。
新型コロナウイルスの感染拡大下では、医療現場に必要な物資の需要が国内外で増加したほか、海外からの輸入量が減少し、現場で物資の需給が逼迫した。
政府も医療機関への無償配布、事業者への増産要請、補助金による支援などを実施したものの、需給改善には一定の期間がかかった。
そのため、今後の感染症拡大時における対策物資の確保について、国と日本製薬団体連合会や日本医薬品卸売業連合会など関係団体が今後の対応を意見交換するため、医政局経済課が意見交換会を主宰することとなった。
初会合では、緊急時における感染症対策物資の確保に関する法的枠組みについて、厚労省が検討中の案を説明。具体的には、対象物資のほか、生産・輸入・出荷調整に関する要請や指示、売り渡し・貸し付け・輸送・保管指示など仕組みに言及した。
医薬品分野で想定している品目について、経済課は「具体的なものはまだ確定していないが、感染症対応に必要な医薬品になるので、自ずと対象医薬品は定まってくると思う」とした。
現行の感染症法に盛り込む予定で、3月をメドに通常国会での改正法案提出を目指しているが、施行時期は検討中としている。
業界団体からは、増産に関する要請・指示の運用方法、物資の供給不足に関する把握方法、事業者への具体的な要請・指示内容などに関する質問が寄せられた。また、「原薬の確保に課題があるので、行政の支援が必要」などの意見も上がった。