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レミブルチニブ、慢性特発性蕁麻疹対象P2b試験の結果を発表-スイス・ノバルティス

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2021年10月27日 PM12:15

開発中の経口BTK阻害薬、迅速かつ効果的な疾患コントロールを認める

スイス・ノバルティス社は9月30日、(LOU064)について、コントロールが不十分な慢性特発性蕁麻疹(CSU)の患者において迅速かつ効果的な疾患コントロールが認められたことを示す第2b相試験データを発表した。同試験データは、第30回欧州皮膚科性病学会議(EADV)において、最新の抄録として発表された。

CSUは苦痛を伴う予兆なく発現する疾患であり、特定の外的刺激なしに6週間以上痒みのある腫れ(膨疹)、血管性浮腫、あるいはその両方が生じることを特徴とし、患者の生活の質(QOL)に多大な影響をおよぼす可能性がある疾患だ。多くの場合は1~5年持続するが、それより長い場合もある。既存の治療を受けても、多くの患者で疾患コントロールが不十分なままとなっている。

Remibrutinibは、同社で創薬された、選択性の高い経口BTK阻害薬。複数の臨床試験や初期段階の開発が進行している。BTK阻害作用は、FcεR1(高親和性IgE受容体)を介したマスト細胞および好塩基球のシグナル伝達における重要な役割やCSUの病態形成との関連性から、CSUに対する魅力的な治療選択肢となる可能性があるという。

プラセボ群と比較して統計学的に有意な用量反応示す

今回発表されたNCT03926611試験は、第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬でコントロールが不十分な中等度以上の活動性を有するCSU患者を対象に、remibrutinibを12週投与した際の有効性および安全性を評価する、第2b相無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量設定試験。試験に参加した患者は、CSUが6か月以上持続し、無作為化前の7日間のUAS7(週間蕁麻疹活動性スコア)が16以上の患者とした。患者(n=311)は、プラセボまたは各用量のremibrutinibを経口投与する群に無作為に割り付けられた。

主要評価項目は、4週時のUAS7のベースラインからの変化量を指標としてremibrutinibの用量反応関係を確認すること。副次評価項目には、経時的なUAS7のベースラインからの変化量、UAS7=0(膨疹およびそう痒の完全消失)およびUAS7≤6(疾患活動性のコントロール良好)の経時変化、ならびに安全性評価のための有害事象(AE)の評価が含まれた。

その結果、主要評価項目である4週時のUAS7のベースラインからの変化量を指標として、remibrutinib群ではプラセボ群と比較して統計学的に有意な用量反応が示された。

全てのremibrutinib群で4週および12週時のUAS7のベースラインからの変化量に有意な改善が認められ(すべての用量群でプラセボ群に対しp<0.0001)、1週時点で迅速な改善が示された。

さらに、プラセボ群と比較して、12週(投与終了)時までに膨疹およびそう痒の完全消失(UAS7=0)または良好な疾患コントロール(UAS7≤6)が達成された患者は、いずれの用量でもremibrutinibを投与された患者で、プラセボ群よりも多く認められたという。

安全性プロファイルについては、remibrutinibを検討した全ての用量で良好な忍容性を示し、用量依存的傾向は認められなかったとしている。

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