医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 新規FGF受容体選択的チロシンキナーゼ阻害剤「E7090」、先駆け審査指定制度の対象品目に指定-エーザイ

新規FGF受容体選択的チロシンキナーゼ阻害剤「E7090」、先駆け審査指定制度の対象品目に指定-エーザイ

読了時間:約 1分1秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年04月10日 PM12:30

2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんが対象

エーザイ株式会社は4月8日、同社が創製し、経口投与可能な新規抗がん剤として開発中の線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体(FGFR1、FGFR2、FGFR3)選択的チロシンキナーゼ阻害剤「E7090」について、FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんに対する治療を対象に、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたと発表した。

胆道がんは5年相対生存率が約20%と、膵がんに次いで予後の悪い難治がん。他のがんと比較して薬物療法の選択肢も限られており、アンメット・メディカル・ニーズは非常に高い。FGFR2融合遺伝子は、胆道がんの15~30%を占める肝内胆管がんの約14%に認められている。

FGFRに素早く強力に結合し、高い選択性を示す

FGFRの遺伝子異常はがん細胞の増殖、生存、遊走、腫瘍血管新生、薬剤耐性などに重要な役割を果たしていることが知られている。また、さまざまながん腫においてFGFRの遺伝子異常が認められていることから、そのシグナルの阻害剤は、がん治療の有望な分子標的薬として注目されている。

「E7090」は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)であるFGFR1、FGFR2、FGFR3に対して選択的阻害活性を示す経口投与可能な、エーザイ筑波研究所創製の新規チロシンキナーゼ阻害剤。同剤は、従来の既知のFGFR阻害剤と異なり、ジメトキシフェニル基を持たない基本構造を有し、速度論的解析実験からFGFRに素早く、強力に結合し、かつ高い選択性を示すユニークな結合様式(タイプV)によるキナーゼ阻害作用により、抗腫瘍効果を現すことが推察されている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか