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グセルクマブ、尋常性乾癬治療におけるセクキヌマブとの比較で優越性示す-米ヤンセン

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2018年12月21日 PM01:15

中等症から重症度の尋常性乾癬を有する成人を対象

米ヤンセン社は12月12日、中等度から重症の尋常性乾癬を有する成人患者を対象にグセルクマブの有効性と安全性をセクキヌマブと比較したECLIPSE試験の結果を発表した。このデータは、オーストリア・ウィーンで開催された「第3回炎症性皮膚疾患サミット(the 3rd Inflammatory Skin Disease Summit)」で発表された。

ECLIPSE試験は、中等症から重症度の尋常性乾癬を有する成人を対象として、グセルクマブの有効性および安全性をセクキヌマブとの比較で評価することを目的とした第3相、多施設、無作為化、二重盲検、実薬対照比較臨床試験。患者(1,048例)を無作為化し、0、4および12週目に皮下注射によってグセルクマブ100mgを投与、その後引き続き8週ごとに投与する群、または0、1、2、3、4週目に皮下注射によってセクキヌマブ300mgを投与し、その後引き続き4週ごとに投与する群に割り付けた。

同試験の主要評価項目は、48週目の時点でPASI90(乾癬の面積および重症の指標で90%以上の改善)を達成した患者の割合。グセルクマブで治療を受けた患者の84.5%が、48週目にPASI90を達成したのに対し、セクキヌマブで治療を受けた患者では70.0%であったという(p<0.001)。

12週目と48週目の双方でPASI75を達成した割合は非劣性

副次評価項目は、12および48週目で評価し、56週目まで安全性モニタリングを実施した。主要な副次評価項目である12週目と48週目の双方でPASI75を達成した患者の割合は、グセルクマブで84.6%となり、80.2%であったセクキヌマブに対する非劣性を示したものの(p<0.001)、優越性は示さなかった(p=0.062)。残りの主要な副次評価項目のうちの3つは48週目での有効性の評価で、PASI100および医師による全般的評価(IGA)スコア「0(皮膚病変なし)」、または「0または1(皮膚病変なしまたは軽微)」を評価。48週時点で、グセルクマブ投与群の58.2%がPASI100を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群ではこの割合が48.4%。また、グセルクマブ投与群の62.2%がIGAスコア0を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群では50.4%。さらに、グセルクマブ投与群の85.0%がIGAスコア0または1を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群では74.9%という結果が得られた(すべての比較で名目上のP値≤0.001)。

残りの主要な副次評価項目は、12週目においてセクキヌマブに対するグセルクマブの非劣性を評価するもの。12週目でPASI75を達成した患者の割合は、グセルクマブで89.3%、セクキヌマブで91.6%(非劣性についてp<0.001)、12週目でPASI90を達成した患者の割合は、グセルクマブで69.1%、セクキヌマブで76.1%(非劣性についてp=0.127)。44週目までに、グセルクマブ治療群に無作為化された27例(5.1%)の患者が治療を中止したのに対し、セクキヌマブ治療群に無作為化された患者のうち中止となったのは48例(9.3%)だった。

安全性プロファイルは、それぞれの治験で確認されていた既存の安全性プロファイルおよび現在の処方情報と一致した。グセルクマブとセクキヌマブの投与を受けた患者のうち同程度の割合(それぞれ77.9%と81.6%)で、少なくとも1件の有害事象が報告された。重篤な有害事象は、グセルクマブ投与を受けた患者の6.2%、セクキヌマブ投与を受けた患者の7.2%で報告された。重篤な感染症は、グセルクマブ投与を受けた患者で6例、セクキヌマブ投与を受けた患者で5例にみられた。

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