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スチバーガ、ネクサバール投与歴のあるHCC患者の2次治療としてFDAが承認-独バイエル

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2017年05月16日 PM12:00

さまざまなプロテインキナーゼを阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤

ドイツのバイエル社は4月28日、「(R)」(一般名:)投与歴のある肝細胞がん(HCC)患者への2次治療として、「(R)」(一般名:)錠の承認をFDAより取得したことを発表した。

肝がんは世界で6番目に多いがんで、世界中のがんによる死因の第2位。毎年、世界で78万人以上が肝がんと診断されており、その発生率は上昇している。HCCは、肝がんの中で最も頻度の高い組織型で、世界の肝がん全体の約70~85%を占めている。

スチバーガは、腫瘍血管新生(VEGFR1、-2、-3、TIE2)、発がん(KIT、RET、RAF-1、BRAF)、(VEGFR3、PDGFR、FGFR)と腫瘍免疫(CSF1R)に関与するさまざまなプロテインキナーゼを強力に阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤だ。

日本でもHCCの適応審査が進行中、結果は年内にも

今回のFDAからの承認は、ネクサバール投与後に病勢進行を認めたHCC患者を対象とした国際共同、多施設、プラセボ対照第3相臨床試験RESORCE(REgorafenib after SORafenib in patients with hepatoCEllular carcinoma、NCT 01774344)に基づくもの。同試験においてスチバーガは、プラセボと比較して統計的に有意かつ臨床的に意味のあるOSの延長を示した。OS中央値は、スチバーガ群(n=379)の10.6か月(95%信頼区間9.1-12.1)に対してプラセボ群(n=194)は7.8か月(95%信頼区間6.3-8.8)だった(ハザード比0.63、95%信頼区間0.50‒0.79;p<0.0001)。各群の死亡例数は、スチバーガ群が379例中233例(62%)、プラセボ群が194例中140例(72%)だったという。

今回のHCCに対するスチバーガの承認は、優先審査によりFDAの承認を取得した3回目の事例。スチバーガはHCCの適応において、FDAからファストトラックの指定と、希少疾病用医薬品の指定も受けている。HCCを適応とするスチバーガの承認申請はほかに、欧州連合(EU)、日本、中国など世界各地で審査が現在進められており、EUと日本における審査結果は、年内に出される見込みだという。

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