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抗がん剤「ハラヴェン」、「悪性軟部腫瘍」に関する効能・効果の承認を取得-エーザイ

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2016年03月03日 AM06:00

「手術不能又は再発乳がん」に続き、2つ目の適応取得

エーザイ株式会社は2月29日、自社創製の抗がん剤 「ハラヴェン(R)」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について、日本国内において新たに「」の効能・ 効果の承認を取得したと発表した。

ハラヴェンは、ハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。従来の作用機序に加えて、最近の非臨床研究において、腫瘍の血流循環を改善すること、乳がん細胞の上皮細胞化を誘導すること、乳がん細胞の転移能を減少させることなどの作用を有することが報告されている。同剤はこれまでに乳がんに係る適応で、日本、欧州、米州、アジアなど、約60か国で承認されている。

悪性軟部腫瘍は、脂肪、筋肉、神経、線維組織、血管などさまざまな軟部組織で発生する悪性腫瘍の総称。厚生労働省の患者調査によると患者数は日本では約4,000人とされている。今回の適応は、「手術不能又は再発乳がん」に続き、国内において同剤が取得した2つ目の適応となる。

対照薬ダカルバジンに対し、全生存期間を統計学的に有意に延長

同剤は、アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む少なくとも 2 レジメンの前治療歴を有する進行または再発の悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫または平滑筋肉腫)を対象とした、臨床第3相試験「309 試験」において、対照薬であるダカルバジンに対し、主要評価項目である全生存期間を統計学的に有意に延長したという。

また、同試験において、ハラヴェン投与群で、もっとも一般的に確認された副作用(頻度 25%以上)は、好中球減少、疲労、脱毛、悪心、末梢神経障害であり、これまでのハラヴェン投与で確認された安全性プロファイルと同様だった。さらに、化学療法歴を有する進行または再発の悪性軟部腫瘍を対象とした国内臨床第2相試験「217 試験」においても、臨床効果を示す結果を得ている。

なお、同剤の悪性軟部腫瘍に係る適応については、2016年1月に米国で「アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む化学療法の前治療歴のある手術不能または転移性の脂肪肉腫」の適応で承認を取得し、欧州(EU)、スイス、ロシア、オーストラリア、ブラジルでは申請中。また、米国および日本において、悪性軟部腫瘍治療に対する希少疾病用医薬品()の指定を受けている。

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