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治療歴を有する肺扁平上皮がんへの「オプジーボ」の第3相試験結果を発表-小野薬品

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2015年06月05日 AM06:00

標準治療との比較で生存期間の改善を示す

小野薬品工業株式会社は6月2日、ライセンス契約を締結しているブリストル・マイヤーズスクイブ社が行った非盲検無作為化第3相臨床試験であるCheckMate-017試験の結果を発表した。この試験は、治療歴を有する進行期の肺扁平上皮がんに対して、「」(一般名:ニボルマブ)群135名と、標準治療となっているドセタキセル群137名を比較したもの。

同試験では、プラチナ製剤1剤を含む化学療法の2剤併用レジメンの前治療中または前治療後に病勢進行が認められた進行期肺扁平上皮がん患者を対象に、オプジーボ3mg/kgの2週間に1回静脈内投与(60分間以上かけて投与)と、標準治療であるドセタキセル75mg/m2の3週間に1回静脈投与を比較し評価。主要評価項目は全生存期間で、PD-L1(programmed death ligand-1)発現の有無にかかわらず患者を組み入れた。

1年時点での生存率はオプジーボが42%、ドセタキセルが24%、全生存期間中央値はそれぞれ9.2か月と6か月だった。同試験では、オプジーボにより死亡リスクが41%低減したという。また、CheckMate-017試験におけるオプジーボの安全性プロファイルは、これまでの試験結果と一致しており、ドセタキセルより好ましい結果になったとしている。

国内でもRCC、非小細胞肺がん、胃がんなどを対象とした臨床試験を実施中

オプジーボは、米国においては「Yervoy」(一般名:イピリムマブ)での治療後、かつ、BRAF V600変異陽性の場合は、BRAF阻害剤での治療後に病勢進行が認められた切除不能、または転移性悪性黒色腫の治療薬として、FDAからニボルマブとしての最初の承認を受けている。最近では今年3月に、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた肺扁平上皮がん患者の治療を適応として、FDAから追加適応の承認を受けている。国内では、2014年7月に根治切除不能な悪性黒色腫患者の治療薬として製造販売承認を取得。世界で初めて承認を取得したPD-1免疫チェックポイント阻害剤となっている。

現在は、 スクイブ社が腎細胞がん(RCC)、頭頸部がん、血液がん、膠芽腫、大腸がん、膵臓がん、胃がん、肝細胞がん、トリプルネガティブ乳がん、小細胞肺がん、膀胱がんなどを対象とした臨床試験を実施中。一方、国内では小野薬品がRCC、非小細胞肺がん、頭頸部がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫を対象とした臨床試験を実施している。

▼外部リンク
小野薬品工業株式会社 プレスリリース

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