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子どもの運動習慣が学力テストの得点を左右する

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2013年11月13日 PM07:57
ティーンに大切なのは勉強だけじゃない

思春期の子どもたちにとって運動は、健康維持にとても大切。けれども、試験勉強や受験勉強に追われるこの時期に、運動が二の次になってしまう子どもたちもいることでしょう。

(この画像はイメージです Sura Nualpradid;FreeDigitalPhotos.net)

ところが、運動をしている子どもたちのほうが学業の成績が良いという調査結果が、イギリスの専門誌「British Journal of Sports Medicine」に報告されました。

報告によると、運動と学業成績の関係は、長期間にわたって続く上、長時間運動するほど、学業試験の点数が高くなることが観察の結果明らかになったとしています。

これは90年代に長期間にわたって行われた、イギリスのAvon Longitudinal Study of Parents and Children (ALSPAC)という研究に参加した、14,000人の子どもたちの中から、およそ5,000人分のデータを分析したものです。

11歳の時の運動習慣が15歳の学力テストの成果に反映される?

調査では、11歳の時点で日常生活の上での運動時間と激しさを測定しました。すると、1日の運動時間の平均は、男の子で29分、女の子で18分となりました。この年頃の子どもたちで推奨される60分と比較するとかなり少ない運動量であるという実態が明らかになりました。

学業成績については、11歳、13歳、15-16歳の時点で母語である英語、算数・数学、理科についてのテストの結果と、11歳の時の運動習慣との関係について追究しました。

11歳の時点では、運動の激しさにかかわらず、運動時間が長い子どもたちで、3科目の学力テストの総合得点が高くなっていました。また運動をしている女の子たちでは、理科の成績で特に良い結果がみられていました。

13歳の時点では、11歳の時の運動量の多かった子どもたちで学力テストの得点が高くなりました。

15-16歳の時点では、11歳の時の運動量が男の子で1日17分、女の子で1日12分長くなるごとに、学力テストの得点が高くなっていました。

この報告で、運動習慣が長期的に子どもたちの学習能力に影響を与えることが分かりました。子どもの運動は、健康や体づくりの視点で論じられることが多いものですが、学校での勉強にも関係があるとは驚きです。ぜひ子どもたちが運動を習慣にできる環境を作りたいですね。(唐土 ミツル)

▼外部リンク

Moderate to vigorous exercise boosts teens’ academic performance
http://group.bmj.com/group/media

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