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HER2陽性乳がん・大腸がん治療薬「フェスゴ」発売-中外

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2023年11月27日 AM09:00

/ハーセプチン配合皮下注、従来の60~150分が5~8分以上で投与可能に

中外製薬株式会社は11月22日、/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ(R)配合皮下注 MA、同IN」(一般名:(遺伝子組換え)・トラスツズマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))について、HER2陽性の乳がん、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんを効能または効果として薬価収載され、販売を開始したと発表した。

フェスゴは、パージェタおよびハーセプチンに含まれるモノクローナル抗体とボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の溶液が1本のバイアルに含まれ、調製不要の固定用量による投与が可能な配合皮下注製剤。薬剤投与時間(経過観察等を除く)は、パージェタとハーセプチンの静注製剤を続けて投与する場合、初回は約150分、2回目以降は60~150分に対してフェスゴの投与時間は、初回は8分以上、2回目以降は5分以上。なお、初回投与の忍容性が良好な場合、両剤とも30分まで短縮可能だ。なお、HER2陽性大腸がんに対する皮下注製剤としては世界初となる。

ハロザイム セラピューティクス社のEnhanze(R)薬物送達技術を用いて、ヒアルロン酸分解酵素であるヒアルロニダーゼにより、抗体の浸透・吸収を促進すると考えられている。フェスゴに含まれるモノクローナル抗体は、パージェタおよびハーセプチンに含まれる抗体と同一だ。パージェタおよびハーセプチンは、HER2受容体の異なる位置に結合し、相互に補完する機序と考えられている。パージェタとハーセプチンの併用療法は、HERシグナル伝達経路をより包括的に二重に遮断すると考えられている。

P2試験で患者選好度・皮下投与満足度評価、P3試験で有効性・安全性評価

今回の承認は、HER2陽性乳がんを対象にフェスゴの薬物動態、有効性および安全性を評価した日本を含む国際共同第3相臨床試験(FeDeriCa試験)、同じくHER2陽性乳がんを対象に、フェスゴの患者選好度および皮下投与の満足度を評価した海外第2相臨床試験(PHranceSCa試験)等の成績に基づくもの。

FeDeriCa試験は、HER2陽性早期乳がんの患者500例を対象に、術前および術後薬物療法として化学療法と併用したフェスゴ投与時の薬物動態、有効性および安全性を、化学療法と併用したパージェタとハーセプチンの静注製剤と比較検討した、多施設非盲検オープンラベルランダム化2群比較の国際共同第3相臨床試験。主要評価項目は、反復投与時のパージェタの最低血中濃度です。副次的評価項目は安全性、反復投与時のハーセプチンの最低血中濃度、乳房および腋窩での病理学的完全奏効率等だった。

PHranceSCa試験は、HER2陽性早期乳がんの患者160例を対象に、フェスゴに対する患者選好度および皮下投与の満足度を評価した海外第2相ランダム化臨床試験。主要評価項目は、患者選好質問票(PPQ:Patient Preference Questionnaire)の回答に基づく、同剤に対する患者の選好度。副次的評価項目は、同剤と、パージェタおよびハーセプチンの静注製剤に対する患者の満足度(TASQ:Therapy Administration Satisfaction Questionnaire)、治療継続期間における患者の本剤選択率等だった。

従来の静脈注射より短時間で治療可能、患者の日常生活改善に期待

同社代表取締役社長CEOの奥田修氏は、「フェスゴは、従来の静脈注射よりも短時間で治療が可能となる薬剤。人々の生活様式や社会環境が多様化する中、投与時間が短縮されることで、患者の日常生活の改善につながることが期待される。加えて、調製不要な固定用量の皮下注製剤であるため、医療資源の効率化への寄与が期待される薬剤だ」と、述べている。

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