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【厚労省】発癌性物質の自主点検要請-企業に限度値設定求める

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2021年10月13日 AM10:15

厚生労働省は8日付の通知で、発癌性物質のニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検を実施するよう製造販売業者に要請した。原薬や包装等に関する製造業者も情報提供などで協力することとし、2023年4月30日までにリスク評価を行った上で、限度値を超える混入が確認された品目は厚労省に報告するよう求めた。

近年、サルタン系医薬品やラニチジン等から発癌性物質のニトロソアミン類が検出され、自主回収が相次いでいる。厚労省は、これら医薬品以外でも混入の可能性が否定できないとして、自主点検を要請した。

自主点検の対象となる医薬品は、化学合成された医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品。生物製剤のうち、ニトロソ化試薬を意図的に添加する工程を用いて製造されたものなど、ニトロソアミン類混入リスクの高いものも対象とした。

自主点検では、既知のニトロソアミン類が1種類確認された場合、N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)では96.0ng/日など、通知で示した許容摂取量を適用することとした。

新規が1種類確認された場合、げっ歯類を用いた癌原性試験データが存在する場合はICHガイドラインM7(R1)「潜在的発癌リスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価および管理」を参考に、一生涯曝露を想定した限度値を設定するなど、科学的に妥当な方法で限度値を設けるよう求めた。

2種類以上確認された際は、10万分の1の発癌性リスクを超えないよう、同様に科学的に妥当な方法で限度値を設定する。

限度値を設定する際は、妥当性について厚労省に相談するよう求めている。

既知の混入原因、混入リスク評価方法、分析方法開発の原則については、欧州医薬品庁(EMA)と米国食品医薬品局(FDA)のガイダンスを参照することとした。

ニトロソアミン類の混入リスク評価は、23年4月30日までに実施するよう求めている。限度値を超える混入が確認された品目については、速やかに医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課に報告することとしている。

限度値を超えた品目については、ニトロソアミン類の量を低減するための製造方法変更を、24年10月31日までに行うこととした。

原薬、製造、包装に関する製造業者に関しても、混入リスクを評価し、製造販売業者に可能な限り情報提供して自主点検に協力するよう求めている。

 

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