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オピカポン、パーキンソン病の日内変動改善の効果・効能で承認申請-小野薬品

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2019年03月01日 PM02:00

レボドパ含有製剤との併用で、日内変動を改善

小野薬品工業株式会社は2月27日、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ()阻害薬であるオピカポン(ONO-2370)について、レボドパ含有製剤との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善の効能・効果で国内製造販売承認申請を行ったと発表した。

パーキンソン病は運動緩慢、振戦、筋強剛を中心とした運動症状を特徴とする進行性の神経変性疾患。日本国内での患者数は約16.3万人と推計されている。黒質のドパミン神経細胞の変性脱落と大脳基底核の機能が障害されることによって症状が生じる。現在、最も有効な治療法は、レボドパの補充療法とされているが、レボドパは半減期が短く1日に複数回の服用が必要となる。さらに、症状の進行に伴いレボドパの作用持続時間が短縮し、wearing-off現象が発現すると、ドパミン附随薬も加える必要がある。

今回の申請は、主に国内で実施されたレボドパ(ドパミン前駆体)およびドパ脱炭酸酵素阻害剤()の併用下でwearing-off現象が認められるパーキンソン病患者を対象とした多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験、および非盲検非対照長期継続投与試験(ONO-2370-02試験)に基づくもの。

1日1回の投与で、パーキンソン病患者のOFF時間を短縮

オピカポンは、末梢性の長時間作用型の新規COMT阻害薬。細胞毒性を示すことなく、末梢選択的に高いCOMT阻害作用を示す。同剤はプラセボと比較し、レボドパのバイオアベイラビリティを最大65%まで増加させ、パーキンソン病患者のOFF時間を短縮する。1日1回の投与が可能なため、患者の服薬に対する負担の軽減や、服薬アドヒアランスの向上・維持に貢献することが期待されている。

小野薬品は、2013年4月にポルトガルBIAL社と締結したライセンス契約に基づき、オピカポンについて、パーキンソン病における症状のwearing-off現象の治療薬として、日本で独占的に開発・商業化する権利を取得。欧州では、2016年6月にBIAL社が欧州委員会より、/ドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI)併用療法で症状が安定しないwearing-off現象が認められるパーキンソン病の患者における補助療法として販売承認を取得し、「Ongentys(R)」の商品名で販売している。

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