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フォシーガ、幅広い2型糖尿病患者の心不全による入院または心血管死リスクを低下-英AZ

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2018年11月16日 AM11:30

血糖コントロールの改善を適応としたSGLT2阻害剤

英アストラゼネカ社は11月10日、「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジン、米国での製品名:Farxiga)の大規模な心血管アウトカム試験(CVOT)であるDECLARE-TIMI58試験の良好な全試験結果を発表した。この結果は、米国・シカゴで開催中の米国心臓協会(AHA)学術集会2018において発表され、同時に「New England Journal of Medicine」に掲載された。

フォシーガは、ナトリウム・グルコース共輸送体2に作用するファーストインクラスの選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)。成人2型糖尿病患者の食事、運動療法の補助治療としての血糖コントロールの改善を適応として、経口1日1回投与で単剤療法または併用療法の一環として使用される。フォシーガの臨床プログラムは、終了済みの試験を含め3万5,000例以上の患者を対象とする35件以上の第2b/3相試験から構成。同剤は、現在までに180万患者年以上に処方された。なお、日本において同剤の心血管イベント、、心不全の抑制、もしくは慢性腎臓病治療薬としての適応はない。

プラセボ群と比較し、心血管死のリスクを有意に17%減少

DECLARE試験は、世界33か国の1万7,000名超の患者を対象にした、これまでで最も大規模なSGLT2阻害剤の心血管アウトカム試験。主要評価項目のひとつである心不全による入院または心血管死の複合評価では、フォシーガ群はプラセボ群に対して、有意に17%のリスクを減少(4.9%vs.5.8%;ハザード比[HR]0.83[95%信頼区間(CI):0.73-0.95],p=0.005)。心不全による入院または心血管死の減少は、心血管リスクを有する患者群ならびに心血管疾患の既往歴のある患者群を含むすべての患者群において一貫して認められた。さらに、もうひとつの主要評価項目である主要心血管イベント()は、フォシーガ群で発現頻度は少なかったものの、統計学的な有意差は認められなかったという(フォシーガ群8.8%vs.プラセボ群9.4%; HR0.93[95%CI:0.84-1.03],p=0.17)。

また、安全性の主要評価項目である、心血管死、心筋梗塞または虚血性脳卒中を含む複合評価項目のMACEにおいて、フォシーガ群はプラセボ群と比較してリスクを増加させず、プラセボ群に対する非劣性を示し、これまでに確立されたフォシーガの安全性プロファイルと一貫した結果が確認されたとしている。また、副次的評価項目は名目上の有意差ではあるが、腎の複合評価項は対象となった広範な患者において、フォシーガ群はプラセボ群に対して、腎症の新規発症率または悪化率を24%減少した(4.3%vs.5.6%;HR0.76[95%CI:0.67-0.87])。また、全死亡はフォシーガ群においてより低い頻度だった(6.2%vs.6.6%;HR0.93[95%CI:0.82-1.04])。

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