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京大発のiPSベンチャー、ベンチャー学会会長賞を受賞-大学発ベンチャー表彰

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2018年08月17日 AM10:45

文部科学省と経済産業省は2018年度の「大学発ベンチャー表彰」受賞者を決定した。日本ベンチャー学会会長賞は、iPS細胞から再生医療製品の開発を行っている京都大学iPS細胞研究所発のベンチャー「」(アイハート・ジャパン)が受賞した。

大学発ベンチャー表彰は、大学等の成果を生かして起業したベンチャーのうち優れた企業を表彰すると共に、特に成長に寄与した大学や企業等を表彰し、大学の研究開発成果を用いた起業やその後の挑戦的な取り組みを一層促すことを目的としたもの。(JST)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共催で行われている。

今年度の日本ベンチャー学会会長賞には、iPS細胞から心血管系細胞を作り出す技術を応用した再生医療製品の開発を行っている「iHeart Japan」が選ばれた。同社は、京大の研究成果を応用した再生医療製品を実用化させ、重症心不全患者が心臓移植を受ける必要がない社会の実現を目指している。

京大iPS細胞研究所などの協力を得て、iPS細胞から作った心血管系細胞で構成された細胞シートの発明やハイドロゲル粒子を用いて細胞シートを積層した多層体の発明を行い、日本など主要国で特許を取得済み。今後、臨床研究と治験の実施を計画しており、臨床応用が目前に迫る段階まで開発が進んでいる。

今回、ベンチャーによる大学知財の強化、研究開発、製造における大学や企業との連携など外部機関との連携を活用し、iPS細胞製品の実用化という大きな挑戦を着実に進めている点が高く評価された。

また、経済産業大臣賞には、独自の機械学習アルゴリズムを用いたソリューションの開発と提供を行っている「エイシング」が選ばれた。同社は16年に創業し、機械学習アルゴリズム「ディープバイナリーツリー」でアプリケーション開発を行うほか、岩手大学など複数の大学と共同研究を行っている。

今回、組み込みに対応する軽くて速い機械制御用の人工知能(AI)という既存の主流AI技術と異なる独自技術、複数の会社を巻き込み、着実に実証を進めている点が高く評価された。

表彰式は30日14時30分から、東京・有明の東京ビッグサイト西1ホールセミナー会場で行われる。

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