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日本初のPARP阻害剤リムパーザ、再発卵巣がん治療薬として承認取得-AZ

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2018年01月23日 PM01:30

プラチナ製剤感受性再発卵巣がんにおける維持療法として

アストラゼネカ株式会社は1月19日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」を効能・効果とした「リムパーザ(R)錠」(一般名:オラパリブ)の国内における製造販売承認を取得したと発表した。

同剤は、DNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規の作用機序を持つ、世界初のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に特異的に細胞死を誘導する作用機序を有する。

米国では、米国食品医薬品局()により、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、3回以上の化学療法の治療歴がある病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性進行卵巣がん、さらにgBRCA遺伝子変異陽性転移乳がんの承認を受けている。

欧州連合(EC)からは、BRCA遺伝子変異陽性のプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法の承認を取得。日本では今回の承認のほか、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんを予定の効能・効果として承認を申請中。

保険外併用療養費制度による無償提供の開始も発表

根治が困難とされる再発卵巣がんは、一般的に延命やQOLの改善を目的とした治療が行われる。リムパーザは、がん細胞に特異的に働く分子標的薬であり、良好な安全性プロファイルを保ちながら、病勢進行や死亡のリスクを下げることが期待される。また、経口剤のため、注射による疼痛や点滴のために必要な時間的拘束といった患者の負担を回避しながら治療することも可能となる。今回の承認は、再発卵巣がん患者に新たな治療選択肢を提供し、卵巣がん治療の進展に貢献できるものとして期待が寄せられている。

同社は、厚生労働省の定める「」のもと、同剤の無償提供を実施すると発表。同剤提供は製造販売承認取得日以降、各施設での準備が整った時点から開始し、薬価収載前日に終了する予定としている。

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