医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 凜研究所、国がん発ベンチャーの3社目に認定-国がん

凜研究所、国がん発ベンチャーの3社目に認定-国がん

読了時間:約 1分5秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年03月10日 PM04:45

研究成果を還元するため、知的財産戦略、産学連携を推進

(国がん)は3月8日、抗体医薬の開発を行う株式会社凜研究所を「国立がん研究センター発ベンチャー」(センター発ベンチャー)として認定したと発表した。国がん発ベンチャーとしては3社目となる。

国がんは、研究成果を社会還元するため、知的財産戦略、産学連携を推進し、その一環として、センター発ベンチャーによる研究成果の実用化を支援している。国がんの役職員が成し得た知的財産権や研究成果等を活用するために設立したベンチャーからの申請に対し、研究成果の活用が期待できるベンチャーを、国立がん研究センター発ベンチャーとして認定している。

新規の抗体シーズ数種によるがん診断薬・治療薬の開発目指す

凜研究所は、2016年1月に国がんと連携して新規の抗体シーズをいち早く臨床応用することにより、研究成果を社会還元することを目的に設立。先端医療開発センターの松村保広新薬開発分野長と連携し、同分野で見出されたシーズ数種によるがん診断薬ならびに治療薬の開発に取り組んでおり、大腸がん抗体、血液凝固系抗体の臨床開発を行っている。

現在、抗体医薬は最も重要な治療薬および診断薬となっている。実際、Evaluate社の調査では、2014年の世界医薬品売上ベスト10のうち、5品目を抗体医薬が占めている。特に、がん治療の分野における抗体の応用範囲は非常に広く、診断では体外診断および体内診断に応用されている。

治療では、抗体による直接作用や、生体内の補体や免疫細胞でがんを攻撃する方法、抗体に抗がん剤や放射性核種を付加した抗体抗がん剤複合体など、多岐にわたる効用があることが特徴で、今後もさらなる開発が進むと予想されている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 肝線維化の治療薬候補を同定、iPS細胞から誘導の肝星細胞で-東大ほか
  • 「ストレス造血時」における造血幹細胞の代謝調節を解明-東北大ほか
  • 食道扁平上皮がんで高頻度のNRF2変異、がん化促進の仕組みを解明-東北大ほか
  • 熱中症搬送者、2040年には日本の都市圏で2倍増の可能性-名工大ほか
  • 日本人がアフターコロナでもマスク着用を続けるのは「自分がしたいから」-阪大ほか