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経済財政諮問会議、調剤重視から服薬管理へ―報酬体系の見直しを提言

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2015年04月20日 AM10:00


■諮問会議で民間議員

経済財政諮問会議の民間議員は16日の会合で、財政健全化に向けて歳出効率化を促す改革案を提言した。医療提供体制の改革に関しては、過剰投薬や残薬を解消するため、調剤報酬における調剤技術料、薬学管理料が適正で妥当かどうか検証した上で、調剤重視から服薬指導重視への報酬体系へ移行させるよう求めた。医薬分業についても高コスト構造への問題意識を表明。これに対し、塩崎恭久厚労相は「課題を検討したい」と応じた。

民間議員は、医療提供体制のインセンティブ改革に言及。急性期から在宅へ病床再編を加速するための診療報酬による大胆な誘導、医療費適正化を促すための医療の標準化、包括化を一層推進するよう要求。過剰投薬や残薬を解消するため、調剤技術料、薬学管理料の適正さや妥当性を検証した上で、調剤重視から服薬管理、指導重視への調剤報酬体系へ移行させるよう提言した。

また、調剤医療費の問題についても言及があり、民間議員は「院外処方では、1回当たり1000円高いのが現状。医薬分業の名のもとに、高コスト構造が見過ごされていないか検討が必要」と問題提起した。これに対して、塩崎厚労相は「医薬分業による課題についても認識しており、検討したい」と応じた。

一方、保険者機能の強化も求め、後期高齢者支援金の加減算幅の拡大、国保支援金の傾斜配賦といったインセンティブを与えることにより、被保険者の健康維持に向けた努力を促すよう要求。

その基準に後発品の利用目標の達成度等を反映し、数量シェア60%の目標達成を前倒しさせることで、より高い目標を設定するよう提言した。

こうした医療のインセンティブ改革について、甘利明担当相は、かつて社会保障費を毎年2200億円削減してきたことを念頭に、「有無を言わさず、無理にカットしていくと、どの細目に落とし込んでいくかで相当な摩擦が起きる。そのことが改革の推進力を減殺してしまう過去の反省もある」と指摘。「理屈と実態の上で無理なく行い、努力を喚起するような方法をとっていくのが新たな知恵だ」との考えを示した。

 

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