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ノバルティス ファーマ 医師主導臨床研究グローバルガイドラインを新規策定

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2014年08月04日 PM02:00

全プロセスにおける営業部門等の関与を禁止

ファーマ株式会社は7月24日、医師主導臨床研究()に関するグローバルガイドラインを新たに策定したとして、その日本語版ガイドラインをホームページ上で公開した。


この画像はイメージです

グローバルガイドラインは、7月8日にスイスで発表されたもので、全世界のノバルティスに適用される。倫理、ガバナンス、透明性の原則を満たす倫理的な臨床研究を支援する姿勢を示し、全プロセスを通じて、マーケティングおよび営業部門の資金提供や関与、研究者の選定などへの影響力行使を固く禁じる旨を強く打ち出した内容となっている。

日本においても、今後ノバルティスが資金提供する全ての契約型IITに、このガイドラインを適用するという。また、これまで国内で使用してきたプロモーション資材も見直し、原則、このガイドラインに従って実施された契約型IITのみを引用することに決定したとしている。これらの本格的運用開始は8月末を予定している。

メディカル本部が資金提供を主導・管理

同ガイドラインでは、IITは独立した研究者または学界などの学術団体主導で計画され、科学的および医学的メリットのために実施される研究であるとあらためて定義。ノバルティスが参画していない臨床または非臨床研究であり、そのIITの実施責任者がノバルティスに対し資金や薬剤、またはその両方の提供を要求するものとしている。ノバルティスは、第三者の実施責任者が、各国の法律および規制要件に準拠していることを定めた契約書に従い、資金提供や薬剤の提供を行う。

また契約は、ICH-E6 GCPに明記されているような高い倫理と科学的基準を証明できる研究者または学界などの学術団体のみと結ぶ。

メディカル本部は、患者ケアおよび医療強化のため、専門家として医療従事者との科学的・教育的情報交換を目的としたコミュニケーションをとることができるとするが、販売促進を目的としたものは禁止する。また、医療従事者の担当する患者の治療方針に対する意志決定に干渉するものであってはならないことも明記されている。

IITの実施に際し、メディカル本部担当者は、研究者が作成したコンセプトシートの提出を受け、研究の評価を開始する役割を担う。資金提供については、財務の監視のもとでメディカル本部が主導し、管理する。支払いは、患者の登録や最終試験報告書の作成など、所定のマイルストーンにリンクさせ、これらが達成された場合のみに実施するとしている。

研究の進捗状況や結果、とくに安全性情報については、ノバルティスに適宜報告することを求めているが、試験デザインやデータ解析、報告などの責任は研究者が全面的に負うことを強調。メディカル本部も、IITの範囲や目的、デザイン、実施に関する指示を出してはならないと定めている。(紫音 裕)

▼外部リンク
ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース

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