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東北大 胎児の造血ホルモンを生み出す細胞を特定

読了時間:約 56秒
2013年12月17日 PM07:08

神経系細胞に出現

東北大学は12月6日、造血ホルモン「エリスロポエチン(EPO)」を生み出す細胞が、マウス胎児の神経系組織に存在することを発見したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

これは、同大学大学院医学系研究科の鈴木教郎講師、平野育生助教、山本雅之教授らによるもの。

研究グループは、マウス胎児が発育する過程で最初にEPOをつくる細胞が受精後8日目頃、神経上皮と神経堤と呼ばれる部位に出現することを発見し、これらの細胞でつくられたEPOが卵黄囊での赤血球形成を促進することを見いだしたとしている。NEP細胞(Neural Epo-producing細胞)と名付けられたこの細胞は、肝臓での造血が主流となる受精後11日目までに消失したという。

これまで胎児の肝臓での造血には肝臓から分泌されるEPOが、成体の骨髄での造血には腎臓から分泌されるEPOが必要であることはわかっていたが、卵黄囊での造血に必要なEPOを供給している細胞は明らかでなかった。

腎性貧血の治療法開発に期待

慢性腎臓病において、腎臓からのEPO分泌が低下し、貧血を発症することがあることについて

今回、EPO産生メカニズムの理解を進めたことにより、腎性貧血の病態解明が進み、効果的な治療法の開発に繫がることも期待されます。(東北大学 プレスリリースより引用)

と、プレスリリースでは述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

東北大学 プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/

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