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QLifeが発声困難患者との5手法の対話アプリを無料提供

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2013年05月24日 AM11:13

複数のコミュニケーション手法を用意

日本最大級の総合医療メディア会社の株式会社QLifeはホスピーラ・ジャパンと共同開発した医療者のための患者コミュニケーション・「ICU POINTALK™」の提供を開始した。

ICU POINTALK™は医療者向けのアプリでiPad上で動作し、東京女子医科大学病院の心臓ICUなどで実際に使われている。

挿管中、気切中のために発声できない患者さんや神経疾患や脳卒中などの後遺症などにより会話が不自由な患者さんとのコミュニケーションツールはこれまで紙で作成した「50音順文字盤」の文字を一文字ずつ指で指し示すようなもので、時間がかかるだけでなく「言いたいことが伝わらない」「何を言いたいかわからない」などの課題があった。

これには患者さんと医療者双方のストレスや不安を増大させることがあったが、ICU POINTALK™はiPadのインタラクティブ性を活かし「手書き入力(自動手書き文字認識)」「50音表」「よくある症状・場面」など複数のコミュニケーション手法を用いて、より円滑なコミュニケーションが取れるよう開発された。

(この画像はイメージです)

高齢者にも使いやすく

ICU POINTALK™の特徴は、複数のコミュニケーション手法を用意したことで、iPad上で患者さん自身の能力や状況に応じて最適な入力方法を選択できるところ。

また、高齢者施設、在宅介護でも活用できるよう、高齢者でも直感的にわかりやすく、文字は大きくはっきりと表示されている。

「今日は何月何日ですか?」「今の時間帯はわかりますか?」など医療者が患者さんに声かけをする際によく質問することを、画面で大きく表示し、患者さんが答えを選択できる機能や、鎮静スケール(RASS、SAS)、鎮痛スケール(BPS、FS)、せん妄評価スケール(CAM-ICU、ICDS)と6 つのスケールが、参照用として付いている。

麻酔(鎮静薬)で患者さんの意識レベルを落とし過ぎるのではなく、むしろ浅い鎮静状態を保つ「ライト・セデーション」治療を行っている場合には、患者さんの状態を把握するための意思疎通がより重要となることから、コミュニケーション促進によるストレスや不安の軽減で、鎮静薬の投与量が適正にコントロールしやすくなるという相乗的なメリットの可能性にも関係者は期待している。(五十嵐園子)

▼外部リンク

株式会社QLife ニュースリリース
http://www.qlife.co.jp/news/130523qlife_news.pdf

iTunes Apple Store│ICU POINTALK™
https://itunes.apple.com/jp/app/icu-pointalk/id599519163?mt=8

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