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厚労省「脱法ハーブ」問題で新たに9物質を指定薬物に!専用コールセンターも設立へ

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2012年07月11日 PM12:00
日本に蔓延しつつある“

“脱法ハーブ”を吸引したために発生した事件や事故などのニュースを、昨年に比べて非常によく耳にするようになってきました。

違法薬物と似た興奮・幻覚作用があるのに法の規制になっておらず、「お香」などと称し、簡単に手に入れることができる“脱法ハーブ”は、行政も手出しができず、対策は後手に回り、野放しの状態となっています。

都内では、今年1月から5月の間に99人の救急搬送要請があり、昨年の約10倍になる勢い。大阪ではアーケードで“脱法ハーブ”を吸引した男が運転する車が暴走するなど、各地でも同じような事件が発生しています。

どうやったら食い止めることができるのか?

これだけニュースになっている“脱法ハーブ”ですが、規制するには時間がかかり、規制しても次から次へ新しい類似成分の薬物が出てくる、「いたちごっこ」が続いています。

そのため、厚生労働省では、2012年6月1日付けで、9物質を指定薬物に指定し、さらに年内中に専用コールセンターを設置し、市民からハーブを含めた「脱法ドラッグ」の情報を収集することにしました。


指定薬物に指定された9物質は下記の通り。

  1. N-(1-アダマンチル)-1-ペンチル-1H-インダゾール-3-カルボキサミド及びその塩類 (通称:APINACA)
  2. N-(1-アダマンチル)-1-ペンチル-1H-インドール-3-カルボキサミド及びその塩類 (通称:APICA)
  3. 2-(エチルアミノ)-2-(3-メトキシフェニル)シクロヘキサノン及びその塩類 (通称:Methoxetamine)
  4. ナフタレン-1-イル[4-(ペンチルオキシ)ナフタレン-1-イル]メタノン及びその塩類 (通称:CB-13)
  5. ナフタレン-1-イル[1-(ペント-4-エン-1-イル)-1H-インドール-3-イル]メタノン及びその塩類 (通称:JWH-022)
  6. 2-(メチルアミノ)-1-(3,4-ジメチルフェニル)プロパン-1-オン及びその塩類 (通称:3, 4-ジメチルメトカチノン)
  7. {1-[(1-メチルピペリジン-2-イル)メチル]-1H-インドール-3-イル}(ナフタレン-1-イル)メタノン及びその塩類 (通称:AM1220)
  8. 2-(2-メトキシフェニル)-1-{1-[(1-メチルピペリジン-2-イル)メチル]-1H-インドール-3-イル}エタノン及びその塩類 (通称:Cannabipiperidiethanone)
  9. (2-ヨードフェニル){1-[(1-メチルピペリジン-2-イル)メチル]-1H-インドール-3-イル}メタノン及びその塩類 (通称:AM2233)

(厚生労働省のページより)

また、新たなホームページを作成し、そのページから「脱法ドラッグ」に関する注意喚起を促していきたいとしています。

なお、厚生労働省では、人体に悪影響がある「指定薬物」に77種類を指定していますが、違法薬物と成分構造が似ていれば一括して規制や摘発ができる「包括指定」を導入し、規制を強化する方法を、現在検討しています。

▼外部リンク

 薬物乱用防止に関する情報
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/

薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
http://www.dapc.or.jp/

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/

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