医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > サインバルタ、慢性腰痛症の疼痛に対する適応追加の承認取得-塩野義とイーライリリー

サインバルタ、慢性腰痛症の疼痛に対する適応追加の承認取得-塩野義とイーライリリー

読了時間:約 1分21秒
2016年03月23日 PM03:30

QOLの低下へ繋がる慢性腰痛症に伴う疼痛

塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は3月18日、・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤「(R)カプセル 20mg・ 30mg」(一般名:デュロキセチン塩酸塩)について、同日付で厚生労働省より、「慢性腰痛症に伴う疼痛」に対する適応追加の承認を取得したと発表した。

日本人が有する病気やけが等の自覚症状の中で、腰痛の訴えは多く、男性で1位、女性では2位と報告されている。腰痛は、発症からの期間によって急性腰痛と慢性腰痛に分けられ、痛みが3か月以上続く場合を「慢性腰痛」と定義。慢性腰痛症に伴う疼痛は、睡眠や日常生活に影響を及ぼし、QOLの低下へ繋がる可能性がある。

サインバルタは、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害作用を介して、痛みを抑制する下行性疼痛抑制系を賦活させることにより、慢性腰痛症に伴う疼痛において鎮痛効果を発揮すると考えられている。

臨床試験では、長期(50週)にわたり鎮痛効果が継続

同剤の慢性腰痛症に伴う疼痛に関する国内第3相臨床試験結果によると、有効性については、プラセボ対照試験において、サインバルタ群はプラセボ群と比較し、有意な鎮痛効果を確認。さらに、継続長期投与試験においては、長期(50週)にわたり鎮痛効果が継続したという。

安全性については、プラセボ対照試験において、サインバルタの副作用(臨床検査値異常変動を含む) は48.3%に認められ、主な副作用は傾眠(18.8%)、(10.3%)、悪心(8.5%)だった。継続長期投与試験では、副作用(臨床検査値異常変動を含む)発現率は50.3%で、主な副作用は傾眠(18.5%)、悪心(10.6%)、(8.6%)、口渇(6.0%)だった。重篤な副作用として閉塞隅角緑内障が1例(0.7%)に認められたという。

塩野義製薬と日本イーライリリーは、慢性腰痛症に伴う疼痛に対する治療の新たな選択肢としてサインバルタを提供することで、患者の痛みを軽減し、日常及び社会生活の改善に貢献していきたいとしている。また、併せて同剤の適正使用情報の提供に尽力していくと述べている。

 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • SMAの新規ASO薬Salanersen、小児対象P1試験で進行抑制を確認-バイオジェン
  • 希少疾患のC3腎症に期待の新薬登場
  • 小細胞肺がん治療の新薬タルラタマブ、後藤功一氏「生存に寄与する薬剤」
  • アムヴトラ、トランスサイレチン型心アミロイドーシスで適応追加承認-アルナイラム
  • 全身性エリテマトーデス、新薬候補「DZP」が倦怠感を改善-バイオジェン
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい